詩:慟哭

汐崎ひかり

慟哭

目に溜まった涙が溢れ出す前に

月夜が照らす側へ近づき

強風により揺れる窓を 力いっぱいに開けた

短髪が荒び立つ

死にたくないと嘯くには あまりにか細くて

窓枠に照り返した その端を強く握っては

雨雲が近づいてきたことに気づくわけもなかった

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詩:慟哭 汐崎ひかり @serori_c

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