現実逃避

松原来愛

第1話 逃げろ

「はあ、はあ、うっ、ああ、はあ、はあ。」

森の中を、1人の少女がかけていた。

黄緑色の美しい髪に、桜の髪ゴム。

透き通った水色の目。

腰には一本の剣と、一冊の本が入った

ベルトをしている。

少女の名前はナエミ。

チスナ王国というところの軍師である。

ここ、ミラレキ大陸は、戦争の真っ只中。

進行方向から、ドカン、と

大きな音がした。

ナエミは急いで別の道に入る。

「はあ、はあ、もう少し。塔まで、行けば。」

ナエミが目指しているのは、

大陸東部にある森、"朝の森"にある、

高い高い塔。

ミラレキ塔と呼ばれる、大陸で最も高い

建築物だ。

その塔は、誰にも開けられないと言われていた。

「ううう、カムル、アクア様、ルカ、ユキ、

 ごめん、ごめんね。私が馬鹿だった!」

ナエミは1人でつぶやきながら、

森の中を走る。


逃げろ、ナエミ。

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現実逃避 松原来愛 @buraiharisupekuto

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