第27話 浮遊


 俺は、5階建てのビルより高く浮遊する黒いピラミッドを見上げる。

 スピカが得意げに腕をまくる。


「ここは私の出番ね。パバリ師匠の一番弟子、スピカの重力魔法を見せてあげるわ」


 久しぶりにスピカが魔法を使うのを見る。あれ?こんなに強力だったっけ?


「わわわわ!やりすぎ!スピカ、ちょっとまって!」


 俺は、浮遊というよりは、空に自由落下するように上空に舞う。目を開けると気がつくと、ピラミッドは足元で小さくなっている。こんな高さまで飛ぶ必要なんてどこにあるんだ?

 スピカがイタズラっぽい笑顔で楽しんでいる。


「きっもちいー!!入り口見つけたよ!ちょうどそこに着地できますようにっと!」


 俺は、ピラミッドの入り口に向かって落ちていく。


「ぎゃーーー!!」


 俺は、スピカに抱き抱えられて、ピラミッドの中腹にある入り口にふわりと辿り着いた。


「無事、到着!コフィ、見て!このピラミッド!全部魔石でできてる!魔石をくり抜いているの?信じられない!」

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