第26話 正解

 その答えを俺は、思いついたまま叫ぶ。


「人間だ!」


 右のスフィンクスが悔しそうに、唸った。


「あーーー!!!

やられた!やられたよ!!あんた、答えを知っていたね!絶対知ってたよ!

くそぅ!なんてこったい!

こんな悪いやつ、二世代続いてこの世にいたのかい?!」


 左のスフィンクスが右のスフィンクスを慰める。


「ネェさん、落ち着いて。それでも、僕たちは負けたんだよ。それに、僕は、やっぱり嬉しいよ。

もう誰も来ないかと思っていたくらいだしね。

そうしたら、僕らのことをちゃんと知っている人が来たんだもの。

やっぱり、なぞなぞは、解かれてこそ、面白いよね」


 俺は、緊張が一気にほぐれてへたり込む。よく分からないけど、答えが合っていたみたいだ。

 スピカが自分が答えたかのようにはしゃいで喜んでいる。


「やったーー!!!でも、なんで答えが人間なんだっけ?」


 右のスフィンクスが悔しがる。


「やっぱり、正解を理解してさえいないよ!

ズルだよ!イカサマだ!!キーーー!

悪魔なんじゃないかい?!

いや、悪魔よりも、もっと意地悪だよ!!」


左のスフィンクスが穏やかに言った。


「さぁ、行きなよ。

ピラミッドの真ん中あたりに入口があるよ」

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