第14話 決断
スピカがキラキラした目で言った。
「それでもやっぱり子供2人で遠くにいくのも、巨人の通過儀礼も怖いから村を出たくないと、あの時、私は断った。
そのことをたまに思い出して後悔するの。あの時、一緒に2人で行けばよかったって」
「なんだよ!俺は、スピカに振られたんだ。そんな話、今更!」
「振った?私がコフィを?
コフィ、ねぇ、今度こそ一緒に行こう。世界を旅して、希望に向かう手がかりを探そう。このままここで、無知で弱いまま恐怖に怯えて過ごすのは嫌よ。
私、10日後の巨人の通過儀礼を受けにいく。私は、私を知りたいの。私が何者なのか。私の赤い目が何を意味しているのか。
だから、私は、1人でも行く。でも、一緒にいくでしょ?」
俺は、強がって、後先考えずに言った。
「スピカについていく訳じゃないよ。俺に、スピカがついてくるんだろ?誘ったのは、俺が先だ。一年前に!」
夕日に照らされて、スピカが金色に輝く笑顔で言った。
「それはそれは、お待たせしました。ついて行かせてください、コフィ」
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