第2話 2度目の人生
「主様!?」
私はベットから飛び起きる…。
横にあるタイマーを見る。7時半…。昨日酒を飲みすぎたせいか…。いつもなら6時半に起きるのに…。
私は主様になんて言い訳をしようか考え…。ベッドから出る…。
私はキッチンに向かう…。
「・・・。いい匂いが…。」
私はその匂いを辿り着いた先には主様がいた。
「おぉ…!主様!おはようございます…!」
「あら…。」
すると主様の体が段々と血塗れになっていく。
「…!主様血が…!?」
傷…。こんな傷なんかで…!こんなに血が出てくるわけが…!
するとその血まみれの手で私の頬に触る。
「…!動かないでください!すぐにでも血を…!」
「ごめんね…。」
「!?」
すると主様はモヤがかり…。あたりは暗く、黒くなる…。そしてとある声が聞こえる…。
(お前の願いはなんなんだ?)
「・・・・・。」
私はベンチから起き上がる…。
(またこの夢からの声だよ…。)
ここは王国の街中にある公園…。私はホームレスに近い事をしている…。最近、勇者様が誕生したと言う新聞が沢山あるからそれをかけ毛布として過ごしている…。今年50…。もうこんな生活は10年近く…。それにこんな生活をしていたら…。主様に会う顔が無い…。
私は…。登りゆく朝日を見つめる。
―――――――――
(ふぁぁ…。)
俺は欠伸をする…。どうしたんだよ…。こんな朝早くに王様から呼び出しなんて…。しかもこんながっちりとしたものを…。王様に貰ったから仕方ないんだが…。とても動きにくい…。それに眠いよぉ…。おれは廊下を歩く…。
「おい…。あれ見ろよ…。勇者様だぜ…。」
「まさかあいつが勇者に選ばれるなんてな…。」
ヒソヒソ話…。全部聞こえてるよばーかー!
勇者に推薦されてから…。やけに周りから距離を置かれるようになったなぁ…。
俺は少し早歩きになり王室に向かう。
―――――――――
「おお!来たか!勇者!」
俺は部屋に入ったそうそう王様に言われる。
「・・・。やけにフレンドリーだな。」
すると王様はびっくりした。
「あ…ええ!?わし結構フレンドリータイプだけどなぁ…!まぁ…。とりあえず座って!」
おれは王様に言われて反対側の椅子に座る。
「んで…。なんの用?」
「じつはのう…。最近魔物の動きが活発化してきておる…。そこで!勇者、君には早急に出発して欲しい…。」
「…?前、聞いた話と違うんだけども…。」
「それはのう…。魔物の対応に兵士を使っていて魔王討伐に向けての兵士が集まらないんじゃ…。強者達を集めているが…。防衛で精一杯…。そこで勇者には!早急に街を出て、魔王討伐への橋頭堡を作って頂きたい。」
「・・・。1人で?」
おれはキョトンとする。
すると王様は挙動がおかしくなる。
「いやいや!そうゆう訳ではありません!今優秀な人を集めている最中です!簡単に言うと精鋭部隊!今それを…!」
俺は王様の話を切るように話し出す。
「・・・。わかった!それは大体…。どのくらいだ?」
「…。1ヶ月後です…。」
「わかった…。待ってるよ。」
俺は椅子を立ち…。王室から出ようとした時…。ふと思ったことがあり質問した。
「そういえば…。俺のこの双剣と同じ分類のやつがあったがそれは使っていいんだな?」
そう双剣を見ながらそう言った。
すると王様は首を傾けた。
「え?あの武器ですか…?あの武器はなんも無いので…。どうぞ。自由に使ってください。」
俺は驚愕した。
「ええ!?この強い武器と同じ場所に保管されていた武器を自由に!?」
王様はびっくりしていた。
「え?その武器強いんですか…?」
俺は頭を抱え、考えた。
「・・・・。わかった。とりあえずいいや。使わせてもらうぞ。」
「はい!どうぞ!」
俺は王室を後にする。
廊下を歩く。
「いやー…。それにしても…。王様まじでなんも知らないのか?俺も詳しくは知らないが…。城の一部屋にあった武器達だぞ…。なぁ…。シルフライフ…。起きてくれよ…。」
双剣の方を向く。けど反応は帰ってこない…。
(・・・。手詰まりか…。)
「・・・・。」
「そうだ…。バー行くか…。」
そうと決まれば…。風呂入って、腹八分目まで満たし…。行きつけのバーに向かう…。
吹く夜風が少し寂しさを誘う。
(おれはあんたと一緒に行きたかったよ。)
俺は城の宿舎を抜け出し城下町へと降りる。
―――――――――
私はずっとベンチに座っていた…。朝、昼と…。あのころが懐かしく思えてくる…。この時間は確か…。主様の帰りを待ちつつ好きな物を作っていた…。私はポケットの中に手を入れる。
「あるわけないよな…。」
そうベンチから立ち上がり…。明かり灯る城下町へと向かう。
――――――――
城下町の入口から数分にあるバー…。前までは兵長と飲みに行っていたが…。今日はあいにく1人だ。
(ようやくつい…。あれ?)
バーの建物の壁に座り倒れ込んでいるボロボロのじいさんが居た。
「・・・。」
(酔いつぶれたジジイか…?いや…。傷…。)
おれはじいさんを担ぎ店の中に入る。
(いいや。こんなの見過ごしたら酒が不味くなるだけだ…。)
そうバーの扉を開ける。
カラン…。カラン…。
「いらっしゃい…。あら勇者様に…。・・・。あら?」
「今はこいつをどうにかしてくれ。」
するとバーの店長は暗い顔をする。
「…。このお方は…。」
バーの店長は近ずき別室に案内された。
―――――――
別室にじいさんを移動させ、おれはカウンター席に座っている。
数分後。バーの店長が戻ってくる。
「どうだ?あのじいさんは?」
「いや…。命に問題は無いし、明日には動けてると思います。」
コトン…。ワイングラスを置き店長は俺にワインを汲んでくれた。
「あ…。ども。」
俺はそのワインを飲む。
「ところでよぉ。店長。あんたあの人知ってるような口してたよな?情報あるならくれよ。あとじいさんと言うのもあれだから名前もくれ。」
「…。そうですね。簡単な情報しかないですが…。よろしいですか?」
「あぁ。頼む。」
すると店長は写真とメモ帳が…。
俺はそのメモと写真を手に取る。
「なんだよ。今とは相当違うなぁ…?」
すると店長は話を進めた。
「あのお方は、5年前に難民としてここに来られたお方です…。そしてあのお方の名前はトマス…。ラウェイ・トマス。」
「…。へー。ラウェイ・トマスね。」
「そしてトマスさんは…。とある方を探しているようです…。」
「へー。」
「その時貰った写真がこちらです…。」
胸元から出した写真…。
「…。誰だ?」
「多分お嬢様だと…。」
「ふーん…。んで、この人探せるの?」
店長は首を横に振った。
「・・・。残念ながら…。私の力ではなんも…。」
「そうか…。」
がら…。
すると別室の扉が開く。
「あの…。ここは…?」
トマスさんだった。
「お…。起きたか。トマスさん。」
「・・・?どうして私の名前を…。・・・!!!!あなたは…!」
俺の顔をまじまじと見てびっくりしていた。
「これは…!勇者様!」
そうトマスさんは俺を呼ぶ…。
「・・・。やめてくれよ…。今は1人の男として接してくれ…。」
「す…すみません…。」
トマスさんはよそよそしくなる。
「まぁとりあえず座れよ。何杯か奢る…。」
「ええ!いいですよ…。助けて治療をして貰ったのにさらにお酒まで…。いいですよ…。」
トマスさんは遠慮しているようだが…。俺は少し笑い。
「良いよ。飲み仲間欲しいのよ。」
「飲み…仲間…。こんなみすぼらしい私をそこまで…言ってくださるのですか?」
「愚痴ぐらい聞いてやるよ。1人の男として。」
するとトマスさんは隣の椅子に座ってきた。
「実はですね…。」
トマスは話し出した。
つい最近オヤジ狩りあったとか…。昔はムキムキで色んな人にモテたとか…。の自慢話…。そして20年前…。お嬢様に仕えていたこと。そのお嬢様が何処かえと言ってしまった事。その話をしている時…。何故か知らないが…。20年前の面影…。話に聞いている昔のじじいの面影が見えた…。何故だろうな。会ったことないのに…。そんぐらいトマスさんの顔は若く見えた。
酒と酔いが回り始め早6時間。
俺らは話を切り上げ打ち切りとした。これ以上話してしまうから…。なんやかんやトマスさんとは仲が良くなりすぎて話が止まらない…。
「店長。お会計で。」
「はい。わかりました。」
俺はお会計を済ました。
「申し訳ない…。お会計までしてもらって…。」
「いやいや…。また一緒に飲みましょう。」
俺らは握手をした。
「次は奢ります。」
冗談に聞こえたが…。今のトマスさんなら奢られるん訳には行かねぇなぁ…。
「わかりました。楽しみにしています。」
「ではまた後で…。」
そう俺たちは別れた。
―――――――――――
(ガハハハ…!それにしても楽しかった!勇者とはとても思えなかった…!それにしても…。俺はこのまんまで良いのか?)
勇者殿…。いや飲み仲間と話した…。私は何が出来る…。私は逃げているだけなのでは…。そしてまた飲み仲間に奢られるだけなのか…。
私は考えながら歩いているといつもの公園に着いた。
(お…!つい…・・・。)
やっぱり悲しい…。もしこの状況をお嬢様が見ていたら…。私はお嬢様に顔向けができない…!なら…!成すべきことは…!
するととある声が聞こえてくる。
(汝…。貴様は何を望む?)
「この声は…!」
さらに続けて話す。
(貴様は何を望む?)
「私…。いや俺は!・・・・・・!」
(…。気に入った…。)
すると強風が吹いてくる。チラシが顔に張り付く。
「これは…。むむ!?」
俺はチラシに目を向けるとそこに書いてあったのは…。
「これは行くしかない!」
俺は夜遅くだが城へと向かう。
――――――――――
(ふぁぁぁあ…。眠い。)
昨日楽しすぎて寝れなかった…。それに今日も王様に呼ばれて…。
俺は中庭前を通ろうとする。
ふん!ふん!
と刀を振る人がいた。
(元気がいい…。やつがいるなぁ…。)
俺はその場をたちさそうとしたが、気になってしまいその人をみる…。そこに居たのは…。
「あれ?トマスさん…!?」
「これは飲み仲間!どうしましたか!?」
「いや!俺が聞きたいよ!どうしたの!?」
「実は昨日あなた様と別れてたら、急に強い風が吹いてきて…。このチラシが顔に…。」
「…!これって…。」
俺に見せてきたものは…。兵士募集のチラシだった。
「はい!これを見てあなたを支えようと!」
すると俺にガチガチに近ずいてくる。俺は口を開く。
「50そこらの人が私勇者を支える事ができるものかね?」
俺は少し煽り口調で言った。
「はい!貴方様みたいな方をお支えしてればお嬢様にもし会った時堂々とできるはずですから!」
「…。なるほどね…。」
「そして願いを叶えます。」
「願い…?」
「はい。それは…!」
カンカンカンカン!!!!
「魔物か…!?」
すると兵士の人が近づく。
「報告です!門数キロ手前にて数百体の魔物接近中!至急増援願います!」
「行けるか?トマスさん!?」
「もちろんです!やっつけましょう!」
俺達は魔物を討伐に向かう。
後日…。
ジジイと勇者が数百体いる魔物の撃破に成功!圧倒的強さの2人に為す術なくやられた数百体も魔物達!仕方ない!ふたりが強すぎたのだ!そして王様から新たに魔王討伐チームとしてジジイが選抜された!噂によると土の能力を…!!!
俺らは行きつけのバーにいた。
「なんだよ…。この記事…。ふざけてるだろ。」
俺は笑う。酒が入っていて余計面白い。
「んでその武器慣れたか?トマス?」
するとトマスは笑った。
「もちろん!盾と剣…。守りながら戦える!最高ですね!」
ゲラゲラ笑うジジイの背中にある盾と剣を見ている。
「いやー…。それにしてもまさか盾と剣が空から降ってくるなんてな…。俺はびっくりしたよ…。」
「いや…。あなたの話を聞く感じだとその背中についてる武器もそんな感じでしょう…。」
「・・・・。確かに…。」
俺はため息を着く。
(やっぱりあそこにあった武器って結構強いんだなぁ…。それにしても…。)
「俺そいつ持つと重たすぎてもてねーんだよなぁ…。」
「逆に私は其の双剣重くて使えません…。」
「まぁお互い様って訳だな!」
2人はゲラゲラ笑う。
「その武器の名前なんて言うんだ?」
ジジイは笑って俺に話す。
「ロデレロ・ノーム・ライフ?って名前です。」
「そうか…。なんでお前はそんなに自信なさげなんだよ…!」
俺はげらげらと笑った。
「いやー…。何故か声が聞こなくなってしまって…。」
「お前もかぁ…。」
俺はなにか話そうとして壁にかけられている時計見る。
「うお!もうこんな時間か!」
6時間…。もうお開きだな。
「では…俺がお会計を…。」
トマスは立ち上がり値段表をとる。
「任せるよ。」
俺は立ち上がり先に外に出る。
「ご馳走様ー。」
「待っててくださいね!」
おうーー。って小さな声が聞こえてきた。
「仲良さそうで良かったです。」
店長は少し笑を浮かべる。
「いえいえ…。ようやくひとつの夢が叶いましたから…。」
店長はキョトンとしていた。
「夢? 」
「はい。夢。」
「そうですねか…。お釣りです。」
「ありがとうございます。」
「ではまた来てください。次は3人で…。」
「あはは…。また来ます。」
俺は扉を開け店を後にする。
(これが私の第2の人生として…。あなたを守る…。そしていずれかは…。お嬢様…。あなたに…。)
胸に秘め…。勇者の元に向かう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます