第3話 魔法使い

(あなたの願いは?)

夜…。小さな部屋で誰かに話しかけられたのか…。私は起きた…。

お母さんは机に向かって日記を書いていた…。私は飛び上がりお母さんに話しかける。私は突拍子の無いことを言う。

「ねぇ!お母さん!私こんなの出来るんだよ!」

私は両手に力を込め前に突き出す。

「ほら!炎!暖かい?」

「うふふ…。暖かいよ…。とても嬉しい…。」

頭を撫でる。

「けどね…。魔法は人前では出しちゃ行けないよ…。」

「どうしてー?」

「奴隷の私達はそんな事を見せたら何されるか分からないわよ…。それにそのペンダントは…。絶対取り付けてね…。あなたを守ってる大事な物だから…。」

そうお母さんに言われながら抱きつかれる…。――――――――――

行きつけのバーにて…。

「・・・。おい。トマス…。なんであんたカウンター席の挟んでそこにあるんだよ…。」

ため息を着いていたがトマスは笑顔でこう言った。

「昔はこうゆう事をやっていたのでお気になさらず…。」

「なら…。私も今日は飲む側に来ますか…。」

そう言って店長が俺の隣に座ってくる。

「良いのかい?店長。飲んじゃって?」

「問題ありません。今日はあなた達だけなので…。今日ぐらい羽目を外しても問題は無いかと…。」

「なるほどな!トマス!いつもの頼む!」

「はい!おまかせを!…。あれ!?お酒がない!」

「あれ?補充されてませんでしたか…。私とした事がうっかり…。店の裏にあるので取りに行ってください。」

「あ!はい!わかりました!」

トマスは裏に酒等を取りに行った。

「に…。してもトマス若くなりすぎじゃない?」

「私も思いました。」

「生きる目的ってのを見つけたのかな。いい顔してる。」

「ですね。」

「所で例の情報は?」

「これです。」

そう折り畳まれた紙を渡される。

俺はその紙を取り見る。

「大変でしたよ。有名所な情報集めなんて1日足らずだと思ってましたが…。意外に情報は早めに集まりましたが…。」

すると紙に挟んであったのか黒いカードが出てきた…。

「…。なんだ?このカード?」

「それが今回特に大変だったものです。」

「助かるよ。」

「・・・・。」

すると店長は俺の方をまじまじと見てくる。

「どうした?」

「いや…。あなたの口からこんな情報が欲しいと言われたのが意外でして…。」

「…。いや。仲良い奴が関わっているかもしれないからな…。」

「なるほど…。それにしても凄いものに首を突っ込むなと思いましたよ…。」

店長は1呼吸置いて話し出す。

「正直今あなたがこの事に首を突っ込むのは悪手かと思いますが…。」

すると俺はにやりと店長の顔を見る。

「この依頼をしたのは誰だ?」

「そりゃもちろんこの国のゆう・・・。おっと…。間違えましたね…。ただの酒好きで友達想いなお兄さん…。でしたね…。」

そう笑う店長だった…。

数時間、酒を飲んで店を後にした。

その帰り道。

(トマスの話も面白いし…。店長とも話すのも面白いな…。それにしても…。)

「トマス。お前が作る料理美味しかった。また作ってくれ…。」

「あ…!はい!喜んで!」

「明日は出掛けることがある。着いてきてくれるか?」

「もちろんです!」

「そうか・・・。それは…うれ…し…。」

なんか周りがだんだん暗くなって行った…。

(やべぇ…。酒飲みすぎた…。)

俺は意識を落とす中、トマスの心配の声と…。とある声が聞こえた…。

(助けて…!)

え?誰の声?

俺は考える暇もなく意識を落とした…。

――――――――

「・・・・。」

朝起きた時目覚めたのは自室だった。

「は!」

俺は飛び上がる…。すると隣から声をかけられる。

「起きましたか…。昨日はとても大変でした…。起きてくれて良かったです…。」

「・・・。すまない。助かったよ。」

「最近疲れているのでは?今日は1日休んだ方が良いのでは?」

じいさんの心配の裏腹に俺は笑顔で答える。

「いや…。今日はやりたい事がある…。」

俺はベットから立ち上がる。

「とりあえず…。王様にあってくる。すぐに出かけれる準備をしろ。」

「まさか!?魔王を打ち倒しに!?」

「いいや。まずこの国の膿を取り除く。」

「え?」

びっくりしているトマスを尻目に俺は王室に向かった。

2時間後…。

「…。ここは?」

俺らは城下町の外れにある商店街に来ている。ここの商店街はすごい賑やかで平日の昼間でも沢山人がいた。

「…。てかなんで顔を隠してるんですか?」

「勇者だとはバレたくないからな。 」

俺らは仮面を付けて商店街を歩いている。もちろん勇者ばれもそうだが…。もうひとつ意味がある。

俺らはとある道を左に曲がり人混みを避けた。そこの道を真っ直ぐ行くと地下に続く階段らしきものがある。

「降りるぞ…。」

「・・・。はい。」

俺らは階段を降りる。

降りた先にはガタイがいい男2人が立っていた。

俺は店長から貰ったカードを見せる。

するとガタイがいい男2人は道を開けた。

「どうぞ…。」

俺らはその道を通り階段を降りる。

トマスは後を着いていたが…。気になって質問をする。

「あの…。ここどんな場所なんですか?」

「ここは…。商店街裏の顔への階段だよ。」

「裏の顔?」

「あぁ。前々まではここを王の管轄に置いてあったものなのだが…。通称。夜市…。」

「夜市…?物騒ですね…。」

「しょうがないだろ…。土地が狭くなった今地下に作るしか無かった…。王様は決断をしたんだ。」

「地下にあるなんて…。暗いですね…。」

俺は当たり前だろと言わんばかりにため息をつき話し出す。

「魔物の動きの活性化にそれの対応をしていた王様では手が回らなくなり…。神官…。俺の友達が王様の名により管轄してるらしい。それがどうにも黒くてな。」

「黒い?」

「あぁ。魔物の動きは活発化してるせいで諸国はその対応が出来ずに滅んでいってる。それの移民がここに奴隷として売られている。」

「…!?確かここの国って奴隷制度は…。」

それを聞いたトマスは目を見開く。

「そうなんだ…。今の王様の方針で大きく変わった。いい方向に…。けど管轄する人が変わってから…。やけに出てきた。」

「なら!ここを検挙してしまえば…!」

「そうにも行かない。もし検挙してしまえば…。この国で奴隷制度があると認めてしまうもの…。それにどの諸国よりも早く奴隷制度を撤廃したのはうちの王様だ…。もしそれがバレれば王様は追放だ。それにこんな不安定の中王様が追放されればこの国は間違いなく滅ぶ…。それを防ぎに来た。」

「で?策はあるんですか…?」

「あるよ。」

「流石…。」

「神官を…。友達をこのトップから引きずり出し俺がここを管轄する。そしてここの情報は全て葬る。」

「でだから仮面と?」

「そう。正直今ここで暴れても良いが、神官を下ろした方が早い。」

「そうですね…。」

すると下が騒がしくなってきた。

「着いたようだな。」

そこに居たのは…。

「…。なんだよ…。これ。」

ボロボロの服に清潔感が無い…。前はもっと良かったはずなのに…。それに周りは劣化している…。崩れてもおかしくは…。

「こんなに酷くなってるのか…。 」

確か王様がここの直轄権を渡してから1ヶ月…。清掃が行き着いていない…。清潔感がない…。それに辺りを見渡す限り…。どうも、血の匂い、悪臭が染み付いてやがる…。こんなにも大きく変わるものなのか…?

「前の私と同じ服を着てますね。」

じいさんはそう言った。

「何言ってるの?お前よりもいい服は来てるだろ。」

「酷いこと言いますね!」

「お前も大概だろう…。とりあえず今日は様子を見に来ただけだ。そっからどうするか…。今日店長と…作戦会議を…?」

俺らは辺りを歩く。

人がこんなに多い…。前を歩くのでやっとだ…。

俺らが歩いていると小さな女の子がぶつかってきた。

「…。どうした?」

「たっ!助けて!わっ!私!殺され…!」

獣耳…。こいつ人外か…。それにとても震えていて俺はそいつを抱きしめる…。そいつはびっくりしていたが段々と落ち着いていった。

「・・・。」(この声…。確か…。しかもこのペンダントどこかで…。)

俺は少し考えた…。

「おい!」

するとこいつの主らしき奴が来た…。

「どうしましたか?」

俺は冷静に答える。それに応じ抱きしめる強さがます…。するとそいつが話す。

「いやいや…。申し訳ない…。逃げ出すなんて…。後でしっかり叱っとくので許してください。」

俺は話出そうとした時…。トマスが俺の前にやってくる。

「この子やけに怯えていますが…?なにかしたんですか?」

「申し訳ない…。あなたみたいな正義感ある人はこの仕事に対して嫌悪感があるでしょう…。」

(重圧がとてもつもなく凄い…。本当にこの子を渡したくないんでしょう…。何かいい案を…。)

するとトマスは俺の方を見てきた。

見てくるってことは・・・。ふっん…。策なしって事か…。俺はその子をトマスに渡し、男共の前に立つ。

そして

ちゃりん。

お金が入った袋を渡す。

「こんぐらいあれば良いだろ。」

すると男共の目が変わった。

「おお…!喜んで!」

咄嗟に男共は俺達の前から去る。

あんまり…。大金は出したくなかったが…。すぐにこの場を去らなければ…。辺りに居た奴らが目の色を変えて襲ってくるかもしれないからな…。

俺らはその場を立ち去り商店街を後にする。出口を出てから数分歩いた。俺は獣耳人外を抱いていたのを下ろす…。

「おい…。トマス。」

「はい?」

「この子をいつものバーに…。」

「了解です。あなたは?」

「俺は少し王様のところに行ってくる。終わり次第そっち向かう。外の警戒を怠るな?」

「わかりました!」

俺らはそこで別れた。そして俺は王様の元に向かう。

「あ…!あの!私は…!私は!」

すると獣耳人外は話し出す…。気が動転してるのか…。言葉はツギハギ…。

「…。どうしました?」

私は目線を合わせる。小さい子には目線を合わせて話す…。小さきお嬢様にも…。懐かしい!

「何をすれば…!なんでもします!ご飯…!作ります…!なら夜の!!!むぐぅ!!!」

私はその子の頭をチョップする。

「あなたがそんなことを考えなくて良いんだよ…。そんな若い子がそんな事考える必要は無いよ。まずは深呼吸をして…。話したい事を…。」

前々から呼吸が荒い…。私は呼吸を促す。

呼吸を整えたのか…。それともほっとしたのか…。その場で倒れ込む…。

「寝てしまいましたか…。・・・。おやおや…。いい寝顔…。」

私はおんぶして行きつけのバーに向かう。

今はこの子を休ませよう…。だけど…。

(たっ!助けて!わっ!私!殺され…!)

この言葉の本当の意味…。もしそのまんまなら…。早めに話は聞きたいですね…。

―――――――――――――

――――――――

―――――――

2時間後…。

行きつけのバーにて…。

からん…。からん…。

扉の開く音がした。

そこに居たのは…。

「帰ってきたぞ!」

「おお!お疲れ様です!」

勇…。いや、酒飲みが好きなお兄さんだった。

「で…。王様との話は…?」

「それより…。あの子は…?」

「大丈夫です。今はぐっすり寝ています…。」

「良かった…。」

「それに…。寝る前に少し話を聞いたのですが…。」

「・・・。聞こう。」

俺はカウンター席に座り話を聞く。

「あの子に会った時…。」

「あー…。言ってたな。殺されるって…。」

「家族が居るみたいで…。」

「なら話は早い…。明日いくぞ。俺ら2人でだ。」

「…!?え?王様の指示無しにいいんですか!?」

コトン…。店長にジュースの入ったグラス渡され…。俺は飲み話を進める。

「王様の指示だが貰ってきたよ…。話まとめると大変だったが…。どうにかまとまったよ…。簡単に言うと俺が夜市を管理する事になった…。が…。俺は勇者として魔王討伐しなきゃならないから…。店長あんたに任せてみたいと思う。もちろん王様にも許可は貰ってる。」

「私ですか!?」

「店長…。あなたにしか頼めません…。それにあなたなら大丈夫でしょ?」

「…。なんですか…。1店長にそんなに信頼を置いて…。わかりました。」

そう一礼する店長。

すると外が騒がしくなってきた。

「おい!お前ここにいるんだよな!出てこい!」

「お前を殺せば!上から金が出る!出てこい!殺してやる!」

「よくも偽金で買いやがったな!」

「・・・・。偽金…。」

俺の方に視線を送るじいさんと店長。

「まさか…!偽金を使って!!!馬鹿なんですか!?」

「す…。すまん…。まさかそいつに家族が居るとは思わなくて…。」

「そういえば!王様から貰った金は!」

「ここで全部使っちゃった…。」

「はぁ…。馬鹿勇者。」

ため息をついたが…。すぐに出てきた言葉に俺はびっくりする。

「どうせ…。喧嘩の種が欲しかっただけ…。どうせなら踏み倒しますか。」

「・・・。ノリいいな。」

「乗ったのはボロ船ですがね。」

「さぁ行こうか!新たな根城に!」

俺らは外にいる男等を薙ぎ倒しに行く…。

数分後…。

男どもはバタバタと倒れていた…。

「軽く100人居たのに…。なんで2人に負けるかなぁ…。」

「ぐぐぐ…。」

意識がある男が俺に這いずり近づいてきた。

「お前を殺せば!お前を…ころ…せば!あの人に…!」

そこで意識を失った。

「物騒になったな。この街…。」

「物騒なのはあなたですよ…。」

すると店長と…。獣耳の子が来た。

「あなた達がうるさ過ぎて起きてきてしまいましたよ…。」

すると獣耳の子が俺に話をする…。

「あの…!助けてくれてあ…! ベビィ!」

俺はその子の頭にチョップする。

「まだ…。その言葉は聞きたくないな…。全部助けた時…。本当にお前が本当に助けられた時に頼む。」

じいさんは俺を苦い顔でこっちを睨んでくる。

「あはは…。」

俺は振り返り…。

「じいさん…。行くぞ。夜市を潰しに…!」

「あはは…!血が騒ぎますね! 」

俺らは歩き出した…。すると獣耳が俺らに叫ぶ。

「私も行きたい!」

「「…は?」」

すると獣耳は両手を突き付け言葉を唱える。

すると手から炎を出す。

けど炎は焚き火程度だった…。

「私!魔法!使えるんです!なにかの役に立ちませんか…!?」

「・・・。無理だな。」

「え?」

「まぁ…。待っててください。私達でどうにかしてきます。」

「まっ…!」

私はその場で倒れ込む。

「疲れてるようだ…。店長頼んだよ。」

「せっかく嘆願されてるのに無視するんですか?」

「ここからは大人と大人の維持の張り合いだ。子供には見せられないな!」

俺らは歩き出した…。が俺は振り返り店長に話す。

「そのペンダント…。外してやれ…。寝る時は邪魔だろ。」

「了解…。私たちは帰りを待っています。早めに終わらせに来てくださいね。」

「おう!」

俺らは夜市へ向かう。

―――――――――

夜市入口に向かう最中…。

「はぁ…。眠。」

俺はため息を着くがそれを突っ込むトマス。

「全くですよ…。こんなに眠いのに…。あなたが考えも無しに夜市を攻めようなんて…。ばかばかしいでしょう…。」

「申し訳ねぇ…。」

入口近くになるほど…。やけに魔力の圧を感じるなぁ…。

「・・・。トマス。」

「あ?なんです?」

「耳貸せ。」

「あ…はい。」

俺はトマスの耳元でとある作戦を言う。

「あー。性格悪いですね。」

「いや。暴れたいから。人質にされるとめんどいし絶対入口前にいるから…。俺が注意引いとくからトマスはちゃっちゃ!!!っとやっといてくれ。」

「はぁ。わかりました。楽な方取れてラッキーですが…。」

するとトマスは両手を叩き掌を地面に付け階段上に大穴を作っていった。

俺はそこから少し歩き出し…。

すると何人かの雑魚兵と…。夜市をまとめているであろう頭が出てきた…。間違いなくこいつやん…。なんか黒いオーラが見える見える…。

「さぁー。やりますかぁ。」

俺は呼吸をして伸びをする。

そしたら頭らしい奴が俺に対して話をする。

「お前?勇者か?」

「え?」

俺は1段…。濃くなったオーラにビビるが…。平常心を保つ。

「そうだけど…。」(うぁ…やべぇ…。こいつ…。なんかあるよな…。)

俺は刀に手をかける…。

「やれぇ!!テメーらー!」

するとごつい奴らが俺に一斉に群がってくる。俺は刀をシルフ・ライフ抜き振った。

当たりが風圧が舞う。

「うぁぁぁ!!!」

群がってきた奴らが吹き飛ぶ…。

「・・・。これが勇者の力…。」

そう頭がニヤつく。

「あ…。ども。」

「お前とならいい戦いが出来るかもしれないなぁ! 」

手をコキコキ鳴らし…。首を一回転させる。

すると頭は俺に突進してくる…。

俺はギリギリで交わす。

(うぉ!反応は出来たが1人間がやる技じゃねぇ…!)

するとやつは避けた所にさらに反応してさらにその避けた所に拳を当ててくる。

「ぐはぁ!」

俺は避けきれずモロに食らってしまう…。

俺はギリギリで受け身を取る…。

「…。流石だな…。受け身を取るなんて…。」

芯をとらえ損ねたみたいな顔をされてもなぁ…。俺は余裕そうな顔で…。

「そりゃどーも。」

(ひとりでやる言ってもなかなかきつい。まぁじいさんの時間稼ぎだから攻撃わざと受け…。・・・。あー。これどうにかかすりぐらいで交わしてたけど…。あと1、2回これ食らったら普通にやばいかも…。少し気合い入れるか。)

俺は顔色を変えた。

「お前強いな。来いよ。」

俺は挑発を入れる。

「…!俺を楽しませてくれるのか?」

すると黒いオーラーが見えてくる。

(なんだこれ?)

「てか俺の友達は無事なんだろうな?」

俺はそいつの問いを無視し話し出す。すると頭はゲラゲラ笑った。

「あいつは生きてるよ。けどどうせすぐに殺す。」

また一段と黒いオーラーが…。

「お前…。また一段と白いオーラーが増したな。」

するとやつは意味深なことを…。俺は一言。

「は?」

それを無視して話始める。

「それにお前の相方…、獣耳の女、あの神官。白いオーラーが見える。」

「お前には黒いオーラーが見えて怖いよ。」

「あぁ…。俺か?俺はなぁ。前まではこんなに力が強かったわけじゃない。」

俺と同じタイプなのか?

「ふーん。いつ頃?」

「お前が勇者になった後、東の空からお告げが聞こえた。」

「それは?」

「教えるか…。貴様を殺すまでよ。」

そいつはそう言い構え距離を詰めてくる。

俺は刀を構え拳を刀で捌く。

そこからお互いが削り合う。

――――――――――

勇者が去って数分後の行きつけのバー。

「…。行っちゃいましたね…。」

私は店長。最近やけに忙しすぎる…。それはどれもこれもあの勇者様のせいですね…。最近では子供の子守りから夜市の長になる仕事も任せられていますからね。

「むにゃむにゃ…。私だって役に立てるんです~~!!!」

子供ながら可愛いですね…。

「はぁ…。めんどくさい。」

私は勇者様に言われた通り獣耳の子をベットに運ぶ…。

「そういえば…。勇者の野郎…。この子のペンダントを外してやれと…。 」

私は布団に入れたあとペンダントを外した。

「ではいい夢を…。」

私は一室に離れようとした時…。寝言で話しているのか分からないぐらいの大きな声を出した。

「私〜魔法使えるんです〜。」

そこから呪文を唱え始める。

「あら?そんなに勇者達に恨みでも持ってるんですかね…。仲間ですね。」

私はくすくす笑って部屋の扉を閉じようとした時、大きな声で叫び出す。

「ふぁいやー!!!!!」

「え?」

白い光が収束していき大爆発が起きた。

―――――――――

同時刻。勇者対頭。

「なんだよ。あの大爆発は…!」

頭はその光を見る。

(そういえば…。あの場所付近には…。)

「うお…。もうそろそろ仕上げと行こうか…。あいつ起きてこっち来るだろ。もうそろそろ終わらせよう。」

「は!あの光をだしやつを殺す前にお前をここで殺す!」

――――――――

ばー。

「…?」

一体何が起きたんですか?いきなり大爆発が…。

ベットの周りは火の海…。私も咄嗟に防御魔法を貼ったからどうにかなりましたが…。なんですかこの火の海は…。

すると獣耳の子はベットから起き上がる。

「え?」

びっくりしていた顔をしていた。こっちだよ!言いたいの!

「これが私の力…。これを見せれば…!」

するとベットから起き上がり勇者の元に向かおうとする。

「待っ!!!」

うそーん…。久しぶりの魔法…。それに相当の魔力を使ったから…。気を失いそう…。それにお店まで丸焼き…。まさか勇者の野郎!わざと…。

私は気を失った。

―――――――――

「はぁ!はぁ!」

私は助けてくれた人の元に向かう。多分あそこだ!絶対に!

「あなたの力になりたい!」

(あなたの願いは…?)

私は夢中で走っていたのか気づかなかった…。気がついたら夜市の出口に着いていた。

「はぁ。はぁ。」

するとでかい男が倒れているその上に座っている1人の細い人がいた。

「お?来たか?お目覚めはどうだい?お嬢様。」

とても笑顔だったが体は傷だらけだった。

すると空は段々と明るくなっていく。

「うん。とてもいい目覚めよ!」

「そうか…。よかっ・・・。」ばたん…。

「あれ?ゆう…!」

「勇者様!?」

するとドロドロのおじさんが出てきたが。

「人を全員安全な所に移動させました。すぐに運びましょう…。」

そうおじいさんは勇者様の運んだ。

そう私達は城の病院に向かった。

―――――数日後――――――

「今日の天気は最高だな。」

「そうですね。」

俺は久しぶり外に出てきた。戦闘で受けた怪我が完治するのにだいたい3週間ぐらいベットの上に寝ていた。

そして今日は夜市の建設の様子を店長と一緒に見に来た。

「…。あの勇者様…。あのペンダントって魔力を抑えるやつですよね…。それをわかって私に外させましたか?」

すると店長が俺を睨みつける…。

「なんの事かな…?」

俺は汗ダラダラでそう答える…。

「いやさぁ…。あんなのになるとは思わなくてさぁ…。」

「あの爆発のせいで店壊れたんすけど…?」

「でどうして店一個跡形もなく壊すほどの火力の魔法にどうして店長は生きてるだ?」

店長は少し遠くを見た。

「・・・。私も魔法使いましたから。」

「え?魔法使えるの?」

「まぁ一端の魔法使いだったのである程度は…。」

「ならさ。あの子に教えてあげてよ。」

「え?」

「あの子魔力強いでしょ?どう?教えてあげて。」

「んー。ならなにか報酬が欲しいなぁ…。」

「報酬?ならもう渡してあるじゃないか。夜市の頭権と・・・。」

「・・・?」

「国の4分の1の領土。 」

「…は?」

「実質的には夜市はそんぐらい広いよ。」

「まためんどくさい仕事を…。」

「それにここでまたバーをすればいい。次は広くて…。大きくて酒の量も飯の質もあげて色んなやつを客に…。」

「…。わかりました…。夜市頭としてここを努めさせてもらいます…。ゆ…。」

「おっと!ここでは…!」

「そうでしたね…。お兄さん。」

私はいやいや笑顔でそう答えた。

――――――

数日後…。

「お邪魔するよ〜。」

俺は防衛帰り行きつけのバーに向かう。

「おお!来ましたか!お頭!」

すると夜市の事件の時にボコした奴らが俺に近づく。

「よせよ…。俺はあくまで形上のお頭だ!お頭はあっちだろ! 」

俺はカウンターにいる店長の方に指を指す。

「ふふ。お頭。いらっしゃい。」

店長はからかってくる。

「おい!お前まだ根に持ってるだろ!」

ボコしたやつから俺にイヤミ的なことを言ってくる。

「あんたがうちの大将の店壊したんだろ?」

「壊したのはあのケモ耳だろうが!」

「俺らの天使に何言ってるんだ!テメーーー!」

男どもは俺に走って向かってくる…。

「うぁぁぁ!!!なんでだよ!酒飲みに来たんだぞ!俺は!」

奴らは俺に突進してきた。

俺は1回店から出て走り逃げる。

「元気だなあいつ。」

「ですよね。悪徳神官さん。」

「うるせぇ。クソジジイ。」

私達はカウンターでお酒を飲んでいた。もちろん酒仲間の悪口を肴に…。

「2人とも!悪口は程々にしてください!」

「お…。悪いね。僕らの天使さん。」

「天使じゃないです!ちゃんと名前ありますから!サクラって名前が!」

するとプンプンと怒り出す。

「んで、魔法の方はどうなの?」

すると獣耳は両手を合わせ呪文を唱える。

ぼん!

掌から炎を出す。

「こんな感じです。けど…。ペンダント込でここまで…。」

「もう店燃えるのゴリゴリだもんな!だから店長も力が入るわけだ! 」

トマスは笑う。

「酒入ってますね。水です。」

店長は冷静に対応する。

「落ち着いてやれば良い。」

神官は私の頭にぽんと手を置いた。

「神官さん…。」

「…。この国はこんなに明るくなってる。だからだろうな…。あいつは夜市をぶっ壊したんだろうな。」

それを聞いたトマスは話した。

「あ!そう言えば…。夜市に乗り込む前に”膿を出しに行く”って言ってましたよ!」

「・・・。へー…。あいつの情報って一体何処から出てくるんだろうな。」

「ふふ。優秀な情報屋が周りに居るんでしょう。」

店長は笑い…コップを拭いていた。

「店長…。ゼェゼェ…。飲み物くれ…。」

「お…。帰ってきたか…。」

「おい…。なんで俺が追われなきゃならねーんだ?」

俺はカウンター席に座る。

「あれ?追った人たちは?」

「全員投げ飛ばしてきた。」

「めちゃくちゃだなぁ…。」

「それにしても…。いいな。夜市…。まだ発展途上だが…。雰囲気も前よりもいい感じだな。」

「そりゃ。地下から地上になったんだ。」

神官がそう言った。

「お前が元々雑魚のせいで夜市は終わりかけたんだぞ!この雑魚が!イキるな!」

「ああ!?俺が雑魚!?ふざけるなよ!」

するとお互い立ち上がり、取っ組み合いになる。

「お前が雑魚だからだろうが!」

「うるせぇ!性格悪い勇者が!」

するとお互い殴り合いをする。

「ガハハハ!いいね!若いって!」

「ふん…。いい酒が飲めそうだ…。」

「はわわ…!」

するとガヤたちも騒ぎ出す。

「おい!性格悪い勇者と雑魚神官が殴り合いしてるぞ!」

「おい!俺は勇者が勝つ方にかけるぜ!」

「なら俺は神官にかけるぜ!」

そこから数分…。殴り合いは続く。

(…。楽しい…。私いつかこんな人達に頼りにされるような人になりたい…。 )

私は笑顔でこう言った。

「私も賭けます!勇者様が勝つと思います!」

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