「桜、燃ゆ」から十年後、3.11から三十年後。いよいよもってシリーズの貫禄が増してきたように思います。
ピンポイントで重厚な(時にベタな)人間ドラマをはさみつつ、一つの架空世界の推移を主軸として描いていくには、こういう連作短編の形がうまくはまるのかも、と読みながら思いました。それしにても、あのクマムシがこういう形に結実するとはっ(いや、予想はしてましたけれども)。
今回は、作品としては、比較的長めのエピソードの間をつなぐ前日譚&後日譚という印象です。読み続けている身からすると「アオイちゃん、こんなに立派になって……」という感慨は 笑 あるのですが、もうひと押しふた押しエモさなり伏線要素なりがあっても、と思ったりもしました。これぐらいで短くさらっとまとめるのもたまにはよろしかったか知れませんが。
この先も楽しみに読ませていただきます。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
今後主役になるであろう、ニュータイプの紹介回になります。
アオイは、どちらかといえば母親の状況を説明するために登場したこともあって、エモさも何も彼女自身のことには触れられず、薄い感じになってしまいました。
次作はもう少し大人になったニュータイプの話なのですが、『Nのゆりかご』が順調なので、公開は少し先になりそうです。
引き続き、ご贔屓に、よろしくお願いします。
とりあえず、のようですが母子が和解して安心しました。
そういえば、博士も中学生の頃は純心でしたね。いや、今でもそうなのか。
作者からの返信
コメント、ありがとうございます。
朱音は真っすぐに千坂亮治を愛しているのです。社会的に見れば、ちょっと頭のネジがいくつか外れているものの……。
夫のためなら遺伝子操作もするし、夫の死を無駄にしないために悪魔になる決意もした。
そんな健気な人物を描いたつもりです。
ここまで読み続けていただき、とても嬉しいです。
私も、『Nのゆりかご』以降の創作に励まなければ、と反省しています。常に考えているのですが、……今は〝聖域〟でスライムを出してもいいかどうか、考え中です。