知られざる姿
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里美が誰かと行為に及んでいるという、その姿を見た後輩。
その詳細が明らかとなる。
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生体認証によるドアのロック解除音が鳴る。
この部屋に入ってくるその人物が誰なのか、それは容易に想像出来た。
何せ認証登録済みの人物は自分とアイツしかいないのだから。
「大丈夫か?聞いたぞ、色々うまくいってないらしいじゃないか。」
「お疲れ様、休憩?」
修二は風の噂で耳にしたのであろう開発部の状況を案じ、里美の執務室にやってきたのだ。
こう突然部屋にやって来るのもどこか懐かしい。
以前は何らかの合図をする様
「修二…私間違ってたのかな。」
「そう思うのか?」
「わかんない…でもこんな嫌味を言われることは私は構わないの、大丈夫よ。」
「そんなに気にするなよ。俺はいつでも桃瀬を応援してるからな。利佳ちゃんだって桃瀬の思いを理解して戻って来てくれたんだろ。」
「どうかしらね。どれだけマズい事になってるか興味があったんじゃない?」
「ったく…何だよその言い方は。またネガティブ思考な桃瀬になってるぞ?大丈夫だって。」
デスクで俯く里美の元に缶コーヒーをコンっと音をたて置くと、修二はデスクの淵に腰を掛けた。
その腰元にギュッと抱きついた椅子に座ったままの甘える姿は『勤務中の桃瀬』ではなく『妻』の姿に見える。
そして元気のないその表情、癖のある髪を撫でると里美は少しばかり心の落ち着きを取り戻した様な気がした。
「桃瀬も昼これからだろ?一緒に食事行くか。ここで一緒に過ごすのもかなり久々だよな。」
「私あんまり食欲ないし、いらないかな。」
「食わないと体力持たないだろ?それに頭も働かないぞ。」
「だって…」
食事に向かおうとしない里美の姿を見つめ、本人の言うほど『大丈夫』ではないのだろうと修二は感じていた。
すると修二はデスクの淵に腰を掛けた自分の正面に里美を椅子ごと移動させる。
「…何?ここでするの?それならあの部屋行こ?そしたらそのまま出来るよ。」
「あそこまで行ってる余裕ない。そもそも空いてるかわかんねぇしさ。あの部屋結構需要あるんだぞ。」
「ほら、見てよ。」
里美は先を口に含むと、舌先でチョロチョロと刺激を始めた。
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