第24話

 うーん……ソーニャが俺より年上だったなんて。

 ガーネットが大食堂の奥からビールの大ジョッキのお替りをしてきたが、こっちは年上の方がいいんだよな。

 俺はこの最悪の危機の中で、どうでもいいことを考えていた。

 

 うっ、俺も……泳ぎはダメなんだけどな……。

 学校じゃあ、水のハンマーって呼ばれていたっけ。


「よしっ! それじゃあ、行こう! オニクボ!」


 俺はソーニャと正門まで走った。

 はあ~~、今日は徹夜か~。

 仕方ないかな。

 料理美味かったし。

 そのお礼しないと。


 ほとんど食べてないが……。


 うん? それにしても、どうやって封印されたドラゴンを復活させられるんだろう? それらしいことができるのはマルガリータだけだろうに……。


 大食堂の空気は未だに豪勢な料理の美味しそうな匂いで満たされていた。 


 俺は大食堂からの扉から、正門目指して突っ走るソーニャの後を追っていた。ソーニャはやはり王女だった。どこかしら、焦っているかのような感じで一目散に城外へと走っていた。俺も橋を守ると決めたし、ソーニャを追い掛けながら辺りを見回した。調度品やドアが全て石造りで、ここはラピス……石という名前の通りの城なんだなと思った。


「わっ!! ソーニャ?!」


 石造りの正門を抜けると、なんとソーニャはすぐに白い鎧を着たまま海へと飛び込んだ。

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