1072話 母である事、父である事、親である事
うちの末っ子が寂しさに耐えられなくなった件について。
『……』
涙目で私に抱きついて…ああ、少し泣いていますね。
『ははさま…』
か細い声でそう言ってくるエーイアを抱き上げ、額にキスをする。
「あなたは間違いなく私の子ですよ」
『~~~!』
ポロポロ涙を零しながら私に抱きついた。
生まれて直ぐの反抗期。本当は寂しかったんですね?
私は抱きしめて背中をトン、トンと優しく叩きながら子守歌を歌う。
マイヤは満足げな笑顔で、リムネーは…
リムネー?何故そんな目を潤ませて拝んでいるのかな?いや、てぇてぇってこの子は貴女の弟or妹ですけど?
寝かしつけた後は元の姿に戻ってお夕飯を頑張って品数を増やして作る。
世界全てのうちの子達にという慈母感満載で作りました!
お子様大好きハンバーグ、から揚げとポテサラ、パスタ、カボチャのポタージュまで一気に作ったよ!
皆生まれてきてありがとうの気持ちも込めました。
マイヤ達の誕生祝いという気持ちも込めたけど、今更かな?
でも言わなきゃ伝わらない事だってある。
だから「生まれてきてくれて、ありがとう」を伝えたい。
エーイアの涙を見てそう思ったんだ。
えー、現在神様方ほぼ全員が泣きながらご飯を食べているんですけど…
いや「ママおかわり!」じゃなくてさぁ…まあそんな予感がしていたから今日は配膳していたんだけどね。
あと伊邪那美お母さん?貴女がお母さんなのに僕に「お母様おかわりを」というのはナニカがおかしくないですかねぇ!?
更にウェスタ様?「これが、母の手料理の神髄…」とか涙を流しながら言わないで欲しいんですけど!?
かなり騒々しい神々の食事を終え、僕は箱庭へと戻った。
……うん。この光景見た事ある!って感じだね。
うちの子達も『パパありがとう』と言いながらご飯食べてるし、神兵の皆さんもそれぞれ泣いているし…うん。
皆の奇行はいつもの事!僕気にしない!
あと、佑那……
「友紀ママの料理は母の味だから間違っていないわね!」
そう言いながらも時折「ママの味」とか言うのは止めてもろて?
「……まあ、考えてみたら兄さんか僕が料理作っていたしね。家庭の味だよねぇ」
兄さんの料理こそが母の味だと思うんですけどねぇ?
廣瀬お姉さんはハンバーグをモリモリ食べているし、ラヴィお姉さんは既にカボチャのポタージュ3杯目なんですけどぉ…
タイムさんもフィラさんも麻海お姉さんも怖いよ?「ママ…」って呟きながら食べないで?
白獅子達はパスタとポテサラがお気に入りのようだし。
人間形態ではない白獅子達は小さくなってカボチャのポタージュを凄い勢いで飲んでいる。
巫女にゃんこ達は…みいくんとみゆちゃんのちびっ子2人は口の周りを汚しながらハンバーグと格闘している。
みやさんはカボチャのポタージュを自分でおかわりしている。
うん。
さて僕は厨房に行って作り置きでも…
『パパ!』
「マイヤ?どうしたの?」
『『『わたしたちを生んでくれてありがとう!』』』
「…うん。みんな、生まれてきてくれて、ありがとうね」
ああ、涙が出そう。
僕、生きてて良かった。
「みんな、大好きだよ」
堪えきれずに涙が零れた。
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