1069話 やっぱり娘達が大好き


 1階食堂で神々が楽しく和菓子と緑茶を楽しんでいる中、一柱だけ半畳畳にて正座をし、濃いお抹茶が出されていた。

「がちなやつぅ…」

 涙目のユグドラシルの視線の先には…小皿にこんもりと積まれた山葵があった。


 元の姿に戻り箱庭へ戻る。

『対応終わりました!』

『パパ!マイヤたちがんばったよ!』

 2人が僕に抱きついてきた。

 …うん。リムネー?僕より大きいんだから僕に体重かけてきたら…パパ頑張るっ!

「マイヤもリムネーもありがとうのギューッ!」

『『♪』』

 2人のフニャフニャ笑顔戴きました!

 可愛いマイヤと傾国の美女なリムネー。

 2人のためにも、為すべきことを為す。

 まずすることは3つ。


 1つめは、ここの防衛確認。

 これはソフト面ハード面共にだ。

 以前ユルフテラ様にも言われたように、ここは狙われかねないお宝らしいから。


 2つめは、他化自在天様と遺伝子上の父親?をぶっ倒す、もしくはぶっ倒して貰う。

 ダンジョン勢を片付けないと2人と楽しく過ごせない。

 ここに引き籠もれば問題無いとは思うけど、流石に地球がどうなっても良い…なんて薄情な真似はしたくないし、精神衛生上悪い。


 3つめは、皆のサポートを行う。

 2つめの中に入るとは思うけど、これは僕の本分でお仕事だ。

 それ以上でもそれ以下でもない。


 僕はダンジョンに入るつもりはないし、そんな力はないと思う。

 だからこそサポートを頑張る。

 マイヤとリムネーの額に軽くキスをする。

「僕の大切な子達、どうか穏やかに、健やかに育っておくれ」

『パパ』

『勿論です、お父様!』

 2人から頬にキスを貰い、微笑み合う。

「兄さん!私達を置いて行くなんて酷くないですか!?」

 あ、佑那。



 SIDE:世界


「こんなものは無理だ!」

「巫女選抜の難題は、人類では無理があるぞ!」

 国際会議の最中、神々から巫女になった際の最低守らねばならない6箇条が公表され、会議は進行中の議題そっちのけで荒れに荒れていた。

「いや、しかし先代巫女はそれを行っていたんだが?」

「神々の恩寵を受けてしてのけたのだろう?」

「いや、残念ながらそれは少し後の話らしい。しかしこの6箇条は無理があるぞ」

「神々は次代の巫女を選出する気が無いようだな。まあ、分かっていたが」

「一つ、神に従順すぎてはならない。

 一つ、神に私心や国家等の言による反逆をしてはならない。

 一つ、邪な心を廃し信念を持って神に仕える。

 一つ、二食から三食は巫女の祈りを籠めた食事で饗する事。

 一つ、神託をねじ曲げてはならない。

 一つ、間違いがあれば神々の神威に屈さず消滅の覚悟で指摘すること。

 ……出来る方はいますか?1番目から意味不明としか言いようがありませんが」

「巫女選抜は行っているが…料理は無理があるだろう…」

「日本はどうなんだ?」

「心当たりは2人ほど居ますが我が国は選出しないと決めていますので」

「何!?2人も居るのか!?」

「ええ、あのマンション1階の食堂で働いているとのことです」

「………引き抜きは無理だな。神々の逆鱗に触れる」

「我が国の国民を引き抜くなんて堂々と言わないで欲しいですね…」

 ため息と一緒に精神疲労が出て行ってくれないかと本気で思う磯部総理だった。

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