1055話 お酒、受け取り!
いつものように協会でお仕事していたら佐々酒販店から電話が掛かってきた。
どうやらお酒が完成したとのこと。早くない?
で、タンクでそのまま持ってくるとのことだった。
ふふふふ…神様方大騒ぎするぞぉ…
そして僕がたいへんな目に遭うぞぉ…
本気でタンクだった。思っていた以上に立派なやつ。
「えっと、中身を」
「そのままお持ちください。国からタンク代と輸送費も込みで戴いておりますので」
佐々さんに勧められるままタンクを全て収納する。
そして受領書にサインをし、終わり。
なんか凄いアッサリしているけど…まあ大体こんなものだ。
お酒は後で確認するとして…今日は書類関係じゃなくてまぁた告解なんだよねぇ…
僕がお話を聞くわけではなくなっちゃっているから何とも言えないけど、悩みや苦しみを打ち明ける機会だから貴重なんだよね。
気合いを入れ直してカウンター横に告解室を出す。
「ぇえー?」
出したと同時に全員並び始めたんですけどぉ…
いや先頭の人はさっき受け付けで何かしてましたよね!?
あと職員もしれっと並んでるぅ!?
…濃い。
何なんだろうね、虐めかな?
「可愛い男の娘しか愛せなくなりました!」とか、
「合法ショタ!合法ショタを愛しても神はお許しになりますか!?」とか、
「巫女様に、いえ、姫様に「めっ!」って怒られたいのです!」とか!
最後の内容、あれ明らかに僕向けだし!
「悪い事したら「めっ!」は当然ですよね」
いや、巽さん?そこ頷くところじゃないと思うんだ…
あと他の人達もどうして頷くの?
「そんなに課長に「めっ!」して欲しいのか…」
『!?』
何でそんなに絶望した顔してるの?上司は課長でしょうが。
もしかして部長の方が良かったとか?
「…こんな部屋があるなんて知らなかったんだけど…」
長谷川はマッサージチェアに揉み解されながら隣で同じように揉み解されている藤岡に恨めしい視線を投げかける。
「体を労るのも修行らしいぞ」
「でも、これやり過ぎじゃない?」
~~~♪~~~♪~~
BGMとして流れているのは友紀の鼻歌だった。
しかも曲を当てての仕様で曲として完成させていた。
「最高じゃないか…岩崎の鼻歌BGMを聞きながらマッサージチェアで揉み解されるのは」
「本人がこの場にいたら暴れそうなんだけど…」
「妹君が怒られるだろうな」
「…まあ、そうね。あと、神様率高くない!?」
リラクゼーションルームは満員御礼の状態となっている。
「最高効率じゃないか。体は解れ、神威に耐える…全員女神だから問題は無い」
「…まあ、それはそうだけど…男性用と女性用のリラクゼーションルームがあったなんて」
「心身共に休める良い場所だろう?それよりも、どうだ?」
「あー…なんか凄い事になっているわ。私を民事で訴えるとか」
「会社を貶めたとかか?無茶言うなと言う話なんだがなぁ…」
「もうあちらとは関係ないから全力で戦うつもりよ?ここ数年の無茶振り全てを裁判で叩きつけて関係者全てを焼き払うわ…証拠は全て手元にあるし」
「…本当に、家族というのは様々だなぁ…」
藤岡の呟きは誰にも聞かれる事なく部屋に溶けていった。
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