1052話 ………ということで!


「部下が自由すぎて休むと何しでかすか分からなくてな…そもそも人材不足な挙げ句最近は餓鬼や小鬼どころか鬼まで出てくるわけだから一定水準以下の者を回すわけにもいかん」

「でも1日の睡眠時間が仮眠で、合計で90分とか100分なんでしょ?私みたいに協会から動けないわけじゃないから休めないの?死ぬわよ?」

「そういうお前も風呂に入って着替えるためだけにマンションに戻っている生活だろうが」

「私は寝ているわよ?部長室のソファーで3~4時間程」

「あの、お二人とも五十歩百歩という言葉をご存じですか?廣瀬さんみたいになりますよ?過労死的な意味で」

「岩崎がそれを許さないから問題無い」

「岩崎君が助けてくれるから問題無いですね」

「別の意味で駄目上司だ!」


『突然配信が始まったと思ったらw』

『でも姫様の居ない配信ですな』

『美女3人座談会配信!ワイルド!妖艶!綺麗!…可愛い系担当の姫様どこー?』

『協会の英雄藤岡課長と軍隊総司令の長谷川部長。あと一人誰?』

『中条グループ総帥の中条静留。ダンジョン系企業最大手のボスやぞ』

『饗馬商事がトップだろ!』

『饗馬商事は2年前には2位に陥落してるぞ』

『ブラックが過ぎる!』

『現在中央省庁の半分がこれに近いんだが?俺一昨日からジャケット同じだが?』

『…帰って寝ろ。あと着替えろ』

『近くのビジホ借りてシャワー浴びて出勤してますが何か?』

『……お疲れ様です!』


「私は少しでも休もうものなら実家から連絡が来ますので…」

「あぁ…時分と関連会社の利になるようにと政治家を動かしてお前を散々出張させていたな。おかげで国内はボロボロになった訳だが」

「そして今でも私を駒のように扱っているよ。自分たち陣営の利になるようにね」

「このご時世でか…馬鹿らしい」

「私も経済界に居るのであまり言えたものでは無いんですけど…私が最も嫌うタイプですね。まあ、何でも出来る上級国民と勘違いして某兄者さんの関連会社に圧力かけているのも貴方のご実家なので…供給止めちゃいますね」

「「えっ?」」

「はい?」

「えっと、何の供給ですか?」

「浄化聖水です。某兄者さんが半分慈善や趣味レベルでやっているところに割り込んでマギトロンや魔石の浄化用水として多少都合をしていたのですが、どうも最近職員に対して執拗に聞き出そうと圧力やら嫌がらせをしているようでしてね…

 そろそろ立場を分かって貰おうかなと思っていましたが、良い機会ですので関連する全ての事業協力を取りやめます。元々部長さんの関係者と言うことでちょっと忖度していましたし、何よりも女性を下に見る愚物でしたので時でした」

「しかし、某兄者の会社を何故貴女が?」

「代理で色々口出ししています。それに一応アドバイザーですし」

「「うわぁ…」」


『部長さんの所の実家の会社って?』

『H&Tグループ。7年前にニチダ自動車と長谷川工機が合併した所』

『は!?経済界のボスじゃねぇか!』

『兄者の会社って有名なの?教えて情報通!』

『I・W不動産は規模こそ小さいが不沈艦。あっちと喧嘩したら死ぬ』

『他にも何社かあるらしいよ』

『数年前、不動産大手が喧嘩売って数十億の損失出してちょっとした騒ぎになった』

『検索ヒットしてるぅ…マジかw』

『おいおい兄者に喧嘩売ったのか…死ぬわH&Tグループ』

『株価がしゅごいことに…』

『ファー!?』


「縁を切りたいけど政治家使ってきたり色々圧力かけてくるから…まあ、現行法で縁を切れないのもね」

「あ、切れますよ?」

「えっ!?」

「虐待や重度の損害を与えるような親族等からの被害を防ぐための法律が昨日施行されましたので」

「…今からすぐにでも行くわ。こちらが迷惑を被っている明確な証拠もたっっっくさんあるし、これ無視するならどこぞの議員が私に対して言ったセクハラ要求発言とその時に毒親が放った一言の証拠音声と映像もあるし」

「何もされなかったか!?」

「あの時点で私は十分強かったのよ?何もされなかったけど、本気で言われたのは分かるわよ?経営者達の会合の席で放たれた言葉ですし」

「「うわぁ…」」


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