1005話 話の裏側の斜め奥
「ゆーちゃん、巫女の役職降りない?」
「えっ?僕のご飯飽きました?」
「それは違うからね!?じゃなくて…ゆーちゃんは巫女と言うよりも家族!神だし、巫女とかそんな立場ではなくてね?」
「何故そんな話になったのかを説明していただけるだけで大丈夫ですよ?」
「あうぅ…」
「───成る程。僕を巫女では無くすことで僕に対するヘイトを減らすと同時に僕に対して悪意を向けた人は重いペナルティを負うよう明文化すると…まあ、僕巫女スキル等持ってないですもんね。聖女から慈母になって慈しみの女神?巫女神?
…もう無茶苦茶ですね!でもそんなものに引っかかりますかね?」
僕の疑問にゆる姉様はニヤリと笑った。
「欲に駆られて最後まで話を聞かずに承諾する人や、自分こそ選ばれし者と思い込んでいる者、ゆーちゃんのアンチ、そしてゆーちゃんを重責から解き放ちたいという善意で承諾する人…私の予想では1日でクリアすると思うよ?まともな国はすぐに解説をして承諾しないようアナウンスするだろうね。
せっちゃんがリークしているだろうから幾つかの国は緊急でアナウンスをするだろうし、それを成すために態々全世界各国の標準時間7時って言っているわけだし」
ああ、これはアレだ。
「押すなよ!絶対に押すなよ!ってやつですね」
「そそ。で、馬鹿な連中や国家は取らぬ狸の皮算用…って事でポチると。でもそう言った連中は邪心や欲が凄いから一次でアウト。
雷対策や雷無効って言っても強化された八雷神を易々と突破出来るのは…ねぇ?
次も『真実の瞳』って神具を装備したいっちゃんがおかしい奴を弾きつつガッツリ黄泉の気をぶち当てる。
更に次に至っては完全武装したみっちゃん含めた神々の圧迫面接。この時点でアウトだと思うんだ」
そらそうよ。いやアウトでしょこんなの。
というよりも…どっちに転んでも良いように調整されているし。
「何処までも審査をハードにして受かったとしても巫女の言うことを聞くって訳でもないし、なんなら朝昼晩巫女が食事作るわけだし…何処にも得のない役職ですからねぇ…これ」
僕にとっては普通に敬うべき相手であり、感謝すべき相手であり、家族。
しかし他の人達にとってどうなのか…これはかなり問題だったりする。
そして何より祈りがクリアに届かない問題は未だに解決されていない。
多少はマシになっている…程度とか。
「まあ、ゆーちゃんが巫女の役職降りたら安心してダンジョン対策出来るでしょ?」
「まあ、そうですね」
「配信で実況しながらだから文句は言わせないよ!そしてゆーちゃんの権力は兄者含め岩崎家が抑えているし、世界中の者が誓約するわけだからね!ゆーちゃんを悪意に晒さないって。なんならゆーちゃんも世話される側になるし」
祈られて美味しくないご飯出されるよりも普通に美味しいご飯自炊するなぁ…
ああ、でもそうなると…依頼している日本酒を早めに回収しておかないと変に難癖つけられても困るし。
「じゃあ僕は決まる前に日本酒回収しなきゃ…」
「!?」
ゆる姉様がめっちゃ反応した!?
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