999話 ダンジョン側の考えていることは良く分からない


 あと4升は必要だったよ…

 神様方、もうご飯があればふりかけだけでも良いんじゃないかなと思う…あ、駄目?そうですか…

 折角暫くふりかけとご飯だけの生活をして貰おうと思ったのに…


 おはようございます。

 なんか昨夜協会の重装救命官経由で護衛士官応援依頼が来たらしいので軽く騒いでいたらしいですが、僕は元気です。

 大きな騒ぎもなく出勤を…と思ったらなんかご機嫌なせお姉様が出迎えてくれた。

「おはようございます。何かありましたか?」

「おはよう!ゆうくん!ゆうくん!君の従者が漸くフィットネスの医務室使ってくれたよ!」

「?従者?」

 従者?誰の事だろう…

「巽!」

「同僚であって従者ではないんですが…」

「似た者主従だと思うんだけど」

「僕あんな変態ですか!?」

「その部分は違うと断言しておくよ、うん」

 せお姉様は分かってくれた…良かった…

 僕あんな怪しい行動をしたり往来で五体投地したり危険な発言したりしていないはずだし。

「えっと、巽さんはフィットネスの医務室で治療中、ですか?」

「うん。体内のズタズタにされた気脈と宝玉が埋め込まれていたと思しき所を今日の午前中で治すって白城氏が張り切っていたよ!」

 体の問題はこれで解決したけど、心の問題がなぁ…まあ、治療を受けに来たという事は一歩前進かな?

「ということは巽さんは本日お仕事はお休みと…では行ってきます」

 僕は協会へ向かった。



「えっ?戦闘中?」

 出勤早々なんかとんでもない事態になっていた。

「5時間経過しているが…防戦中だそうだ」

 課長は難しい顔でそう答えるとため息を吐いた。

「お前さんの所の重装救命官を連れて行っているんだが、どうやら応援要請があったらしくてな…護衛士官もダンジョンへと飛び込んでいったが…まだ帰ってこない。

 現在ダンジョンゲートは一般人の進入を封鎖するよう指示は出しているが…中はモンスターだらけらしい」

「ダンジョンは今更何をやろうとしているんですかね…」

「さあな…中に人がいる以上迂闊なことも出来ないし、私が突入するのは止められている」

「課長は単騎掛け区別無く殲滅ですからね…」

「お前さんにそう言われるとちょっと心にクるな…」

「嬉しそうな顔しないでくださいよ…どうするんですか?」

「一応応援要請を掛けているんだが、どうも他3ヶ所で同じ事が起きているようでな。応援は厳しいというか、あちらからお願いされる可能性の方が高い」

 うーん…なんか引っかかるなぁ…でもこれに乗らないとマズいのか。

「課長、うちの部隊と一緒に救援に行きますか?」

「いや、しかしな…」

「僕は長谷川部長と待機しておきますので、箱庭の護衛士官と重装救命官5名が第2級武装をして課長と共に突入ということで」

「…しかしそうなるとお前さんの護衛は」

「5人いますが、何か?」

「えっ?」

「タイムさんとフィラさん、麻海さん、ちーくん、メリアさんがすぐに動けるようスタンバってます」

「それは…過剰戦力だな。少し兵を借りる」

 課長がダンジョンへ突入することが決定した。


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