992話 釈迦に説法、巫女様に料理講座


「佑那、アイツら始末しても良かった」

「まあまあ…やっちゃったら仕事できないでしょ?」

「そうですね。男尊女卑の愚かな老害であっても働かないそれ以下の存在から少しはマシになるのではないでしょうか」

「佑那は凄かった…」

「ああいった手合いは殴らなきゃ分からないから…」

「神の本体を何十発と殴って分からせる…良い」

「うんうん。これであの7柱の神々もまだ分からないようなら…ねぇ?」

 神域に入ろうとしたらなんか恐ろしい会話が聞こえたのでソッと扉を閉めた。


 箱庭に戻りマイヤ達とハグゲーム?(マイヤ達が僕の周りをグルグル回ってハグをし、誰かあてるゲーム。本人達はグルグルぎゅーと言っている)をしながらうなぎ食べたかったの?と聞くと、

『パパがちょっとおつかれだって聞いたからうなぎで元気になるかな?って!』

 という話を3人が異口同音で答えた。

 ちーくん達もお遊びの一環として協力してくれたらしい。

 後でちーくん達に新しいお菓子のレシピを教えなければ…

 元の姿での毛繕いとかはマイヤやリムネー達がやっているらしいし。

 まあ、とりあえず…うなぎをあと数尾捌いて僕の分と予備を用意しておかないとな…



 神様方にも大人気なうなぎ祭り。

 うなぎも好評タレも好評…いやタレって…

 またやって欲しいと言われたけれど…アルカイックスマイルで「前向きに検討致します」と返しておいた。

 箱庭のみんなからも大好評。

 ちびっ子達どころか白獅子ちびっ子軍団も大はしゃぎで食べていた。

 予備を用意しておいて良かったと心から思った。

「そう言えば兄さん」

「ん?どしたの?」

「明日から兄さんは夕食メインでお願いします。みやさんとメイドさん達が朝食と昼食を作るから」

「何それ初耳なんだけど?」

「今言ったからね」

「色々困るんだけど…」

「あと、勉強序でに1階食堂と売店の担当もさせようかなって」

「あー…それは確かに。で、それは誰のアイディア?」

「私とリムネーとみやさんで話し合った結果です…」

「んー…無理していないなら良いよ。ただし、リムネーにメイドさん1人帯同させること!」

「えっ!?」

「あと、みやさんは分かるけど、メイドさん達の技能は?」

「んー……………兄さん達を10段階の10としたら、6」

 なんか凄い葛藤があったな。

「前、静留さんと食事に行ったとき、料理長自ら作った料理のレベルは4。兄さんを崇めるあの料理人さんのレベルは6」

「家庭の味最強か…」

「兄さん…兄さんの料理のスキルが異常だって言いたいだけだからね?あの美味しさで量をこなすって本当に異常なことなんだよ?調べて!ちゃんと検索したらどれだけ異常か分かるから!」

「異常異常って連呼しなくても…」

 仕方ないから検索した。

 佑那に言われるままそのワードを打ち込んだ。


 凹んだ。

 もの凄く凹んだ。

 そりゃあコメント欄に書かれますわ。

 あと、あのコメント欄に書いた人達の中の人、有名シェフや国お抱えの料理人とかいますやん…深夜の飯テロについて言及している3つ星シェフとか、うなぎの捌き方講座を緊急で上げている和食の重鎮とか…ごめんなさい。

 本当にごめんなさいっ!


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