975話 提案拒否、からの…
「さあ!兄さんの悩殺コスとダンスとお歌で!」
「やらないよ?」
「えっ?なんで!?」
「それよりも確実な方法があるでしょ」
強制浄化や庭の水をかなり希釈した上でせお姉様と一緒に罪穢れだけを流し、洗の…説得するとか。
伊邪那美お母さんとの慚愧懺悔の部屋で話し合いとか。
「あっ、すみませんが彼女と少し話をしても?」
マヤさんが挙手をした。
何か、結界の端で資料をみせつつ僕を見ながら説得?をしている模様。
でもね?説得で怨霊が浄化できたら世の中の術者さん達は苦労していないのです。
時折『エッ!?』とか『わぁ…』等、なんか思っていた説得とは違う何かが…
『アアアアアアッ!?ホントウニ、ホントウニソンナコトガ!?』
なんか悲鳴をあげているんですが?
「…課長、生前の彼はどのような…」
「引っ込み思案で大人しい子だったのだ…別れの際、少し明るくはなっていたが…」
「あとで、話す時間を設けますか?」
「……いや、いい。別れはあの時済ませた。それに今は生前のしがらみを捨て生きているのであれば私が出てとやかく言う必要は無いだろう。
元気にやっていると、苦しんでいないと分かればそれで十分だ」
課長はそう言って目を閉じた。
「説得完了しました。彼女の恨み辛みに関してはほぼ霧散したと思われます」
「「「ぇえ!?」」」
「お前…どんな説得をしたらそうなる?」
酒呑童子さんが胡乱な目でマヤさんを見る。
「いやぁ…それは後で詳しく話しますが、彼女は腐海出身で夢見がちな女性というだけのお話しですよ」
「いや、それだけで強力な怨みの念が吹き飛ぶわけが…」
「そこも説得ポイントです。まあ、その話も後ほど…」
穏やかな笑みを浮かべるマヤさん。
…うん。胡散臭い。
前に見た穏やかな笑みとは違う。
「……まあ、幽霊さんがそれで良いのなら僕は何も言いませんが…ではまずは仮契約をしましょう。それで問題がなければ使い魔契約という事で」
『ヨロシク、オネガイイタシマス』
頭を垂れる幽霊さんに対して僕は【慈母の眼・改】を使う。
年齢:──歳 身長:179cm 体重:59kg B89/W57/H84
性格:内気だったが責任感のある才女。重度の腐女子・夢女子。元怨霊。
死因:弟に毒を盛られた後に性的暴行を受ける前に離脱し部屋に籠城し死去。
地脈操作(L2)(6/300):地脈鑑定の派生。地脈の気を操り属性をある程度変える。
幻術(L3)(81/600):大地の気を操りそこに存在する/しないように認識を歪める。
天地命脈陣(L2):天地の気を巡らせる自陣形成。強固な回復・追儺陣となる。
???:死者であるためロスト。使い魔となった場合零落スキルとして復活する。
先天能力
見鬼(L2):霊魂、妖怪、隠形看破、界の境界が見える。
分割思考(L2):術式専用。並列思考ではないため処理能力は落ちない。
傾国(L1):人を狂わせる魔性の美をもつ者。
後天能力
異界創世(L1):自身の周辺5メートル内に異相・異界を形成する制限時間あり。
怨霊昇華(L1):最期の怨みを理解、納得して呑み込んだ者の称号(器補正)
いやこの幽霊さん本当に逸材なんですけど!?
あと本当に説得で元怨霊になってるぅ…
スキルも軍とかに絶対欲しい人材ですよこの幽霊さん!
「麻海さん有能すぎてワロタ…失った損失がでかすぎる…」
『デモ、モウワタシハ、アナタノモノデス』
───あとでマヤさんにどんな説得をしたのか本気で聞き出そう。
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