971話 聖水晶等|越えられない壁|神聖水晶|那由多の壁|神祇結晶
「神聖水晶を下さいっ!」
アディエーナ様がやってくるなりそんな事を言い出した。
何事?
「どうしたんですか?」
「仙界を完全封鎖して浄化するのに使うんです!」
「えっ?…もしかして、仙人が神様方に喧嘩を売っているもしくはダンジョン方に寝返りました?」
「境界を管理するから自治権寄越せと偉そうに言っておいて全然管理していなかったらしいですよ」
…それは、駄目でしょ!
誰が使うのか聞いたらゆる姉様もしくはミツルギ姉様とのことだったので神祇結晶を取りだして渡そうとしたらもの凄い反応された。
「殺意高過ぎませんか!?」
「えっ?…やっぱりそういう事になります?」
「なります」
即答だった。
戸棚にまだ大丈夫な神聖結晶が…あっちはぜんぶ神祇結晶だ。
プライベートボックスにいくつか…あった。
「では神聖水晶を…これで」
「はい!ありがとうございます!すぐに渡してきます!」
神聖水晶を素早く収納したアディエーナ様は大急ぎで箱庭から出ていった。
そんなに急ぐことでもあったんだろうか…ああ、それよりも境界ダンジョン対策を急がなきゃ…
じゃしんさん保育園でいつのまにかおうたの時間ができていた件について。
いやまあ、その事は後にしよう。
仙人方から弁明やらクレームが多数来ているらしい。
我々はそのような話を聞いていない。
これは明らかな侵略行為である…といったクレームに対しては500人以上の血判状がある事と契約を守らないことと、ダンジョンという神界含め世界の総力を以て戦っているにもかかわらずそれらが境界にも潜んでいたという監督不行き届き。
更には一部の仙人が悪戯に転生を行い人心を惑わすなど利敵行為を行っている事実から三清らが責任を取って仙界封鎖に同意したことを突き返していた。
どんだけ仙人達はロックな人が多いの?
あと無法者が多いのかな?
「ご主人、7人目ッス」
本当にさぁ…僕や関係者を捕まえればいいと短絡的に考えていないかなぁ?
人質を使って交渉を円滑に?返してもらえない人質って人質とは言わないよ?
課長達や佑那や紅葉さん家族、果ては飲み屋街をほっつき歩いていた天之御中主様を捕まえようとしたり…
呪縛で動きを封じようとしておいて説得交渉に来ただけとか、奇襲が交渉前の挨拶というのであれば最大火力で相手するよ?タイムさんとフィラさんが。
「本当にさぁ…捕まえる意味あるのかなぁと思い始めているんだけど…」
「そッスね…引き取りにくれるお爺ちゃんがいつもションボリ顔ッスもんね」
太上老君ェ…
「あとはもの凄く高圧的に「今封鎖を止めるのであれば許してやる」とか言ってくる仙人とか…」
「自分たちからすると人を逸脱し切れていない存在なんスけどねぇ…空飛べるだけで仙人の上位とか本当にそれで仙の位なんスか?」
「タイムさんはそもそも世界が違うから力関係がね…」
「私もそう思うんだけど?ちょっと前までなら聖の位の人間も空飛んでたわよ?」
フィラさんのちょっと前は千年単位だったりするじゃないですか…
「フィラさんは元が精霊で神代の頃から居るからそう思いがちなのでは?」
「「あー…」」
基本レベルが高過ぎる人の弊害が、ここに…あと昔の”そこそこ強い人”を知っているせいでだいぶ歯がゆい思いをしているんだろうなぁ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます