970話 仙人がこんなに生意気なわけが…あ、はい。


 ユグドラシル、祓戸、ミツルギ、そしてアディエーナの4名がスタジオに集まりが始まった。

「撮影年月日…ぇえー?兄者大学生の頃じゃん」

「あの頃からこんなに無茶苦茶なの?境界ダンジョン云々よりこっちが重要な気がしてきたんだけど?」

「確かに。これは…凄いな。映像でもどれだけの強さか良く分かる」

「ちゃんと境界ダンジョンについて話し合いましょうよ!怒られますよ!?」

「だって仙人の連中があんな巫山戯た回答聞いたら…ねぇ?」

「「聞かれたのは我等が知っていて管理している境界の事であってそれ以外答えられるわけないだろう?」って巫山戯てるよ!?

 お前等千数百年前に「境界全ての管理権限を与えてくれたら我々は全力でこの狭間の安寧に全力を傾けよう」って言ってたのに!」

 祓戸はバンバンとテーブルを叩いて叫ぶ。

「そう言ってたのか?」

「うん!だってこの時他の神々も居たからね!?」

 祓戸がそう言うなりユグドラシルが立ち上がった。

「あー…じゃあ不履行と不法占拠ってことでまずは仙界を閉じちゃおうか」

 そしてそれに呼応するようにミツルギも立ち上がる。

「他の神々にアナウンスしてくるとするか」

「仙人達オワタ」

「いや、アイツら道徳心あまり無いから仕方ないよ。今でこそマッド何とか~とか言う言葉あるけど、奴等仙の位を得るため、あるいはその先の位に至るためなら他者の命すら何とも思わん連中だし。マッドハーミット?かな?」

「…仙人の定義が崩れてないですか!?」

「人が言うところの道教の~ってのは本当に一部だし」

「いやもうちょっとは居ますよね!?」

「そこそこでも居たらこんな事にはなってないと思うんだけど…1割いるかなぁ…道教三清達は泣いて良いと思う」

「その三清は神界にいるんですが?」

「殆どが仙の位で止まって昇格神なんて一桁レベルだし?昇格したらしたで神人や昇格神に喧嘩を売りに行って叩き潰されるのが更にその半数とか」

「…地球って蛮族が過ぎません?」

 呆れたように言うアディエーナに祓戸は苦笑するしかなかった。

「さっきも言ったように殆どが殺してでも奪い取る!って精神構造の連中だから…そういった連中は表に露出しないせいで仙人=素晴らしい方々っていう偽りの方程式がね…」

 そんな話をしているとミツルギがスタジオに戻ってきた。

「アナウンスをしたら太上老君からすぐに返答があったぞ。お詫びと仙界封鎖も已むなしと。これからゆると共に仙界の完全封鎖処理に入るので暫くしわ寄せが来ると思うが…耐えてくれ」

「「!?」」

 祓戸とアディエーナが慌てて立ち上がる。

「どれくらいの期間ですか!?」

「そう広くは無さそうだが、浄化を含めるから…4~5日は掛かるだろうな」

「あとでゆうくんから神聖水晶貰ってくる!からそれで浄化を速めるのは!?」

「それがあれば…2~3日では終わるだろうな」

「私が事情説明して戴いてきます!」

「…2人と私がこの世界の鑑定ベースやその他システムの見直しをしているからなぁ…必死になるか」

 2人の慌て振りにミツルギは苦笑しながら席に着いた。


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