960話 ぷれぜんとじゅんび!


 そしてデザートのお芋スティックを全員に均等数渡した。

 全員がそれを一口食べ、警戒を始めた。

「いや自分のものだけを食べて下さいよ…奪い合うようなら2度と作りませんからね?」

 因みにこのお芋、箱庭産のお芋です。

 そりゃあむさぼり食いますな!


「割合的に民度が高いですね~」

「割合的にという部分が意味深すぎる…」

 廣瀬お姉さんが僕宛のメッセージを解析しながら苦笑する。

「〆切まで時間はありますが…本当に善意のお店ってどれくらいですかね?」

「現在で言えば2018件です~個人と要救援者は1221件。そして利益優先と思しき所が1717件で、興味本位の捨てアカウントでの応募が2324件です」

「個人と要救援者?」

「コメント欄記載記録のある信者さんや、国や自治体が把握している要支援家庭の方々です~」

「ええええ?」

 そういった家庭にはお米1キロとそのままでも食べられるお野菜セットを贈ろう。

「配信から6時間で140万再生ですから。あと数時間で何処まで増えますかね?」

「全世界対象ですからね…」

「6時間で140万再生ですよ?」

「僕にはそれが多いのかどうなのかもう分からないですよ…巫女にゃんこインフレでは?としか」

「あぁ…」

 廣瀬お姉さんが納得した顔で頷いた。

「可能性はありますが…正直それ以上にじゃしんさん保育園バフだと思います。そしてこれから爆発的に伸びます」

「えっ?」

「時差ですよ~」

「あっ…」

 あの配信時間に夜遅い時間だったところか…

「とりあえず贈る物をまとめておいてくださいね~?」

「まとめて何処に置けば…」

「第2スタジオに置いていてもらえれば明日の配信時に発表と発送を行いますから」

「あ、はい。お願いします」

 というわけで2名様用の鮭とお米10キロ、鶏もも肉5キロ、野菜5種適量をまとめた箱に入れる。

 次にお米1キロと野菜3種セットにした箱を…120箱作った。

 全然足りないと思うし、僕のエゴだと思うけど…やらないよりやった方が良い。

 ただ、パンメインの地域の人がいたらごめんなさいっ!

 あっ、小麦粉…いや、中力粉1キロも追加しておこう。

 箱を閉じる前で良かったぁ…

 でもどうしようかな…あと80つくって200にした方が…

「ご主人、寝るッスよ」

「えっ?でも…」

「このままだとちびっ子達が夜中起きてみーみー泣くっすよ?良いんスか?」

「すっごい脅し来た!?」

「多分今布団に入ればガッチリホールドで済むっすよ?」

 それでもガッチリホールドなんですね…はぁ。

 諦めて箱庭へと戻った。



「というわけで該当した2名様にはメッセージに商品を添付して贈りました~今!」

「あと、我等が自己犠牲系巫女様が夜中一人で一生懸命要支援家庭の方々向けにとダンボールにお米や中力粉、野菜を詰め込んでいましたがタイムさんが無理矢理寝かせたので120箱のみ完成しています。

 これをランダムに送りつけますので届いた方はラッキー程度で喜んでください」

「当たらなかったとしても…落選の文句は廣瀬に言え!ということでお願いしますね~?」

「ここまでのお相手はよい子の秘孔大辞典が欲しい廣瀬と」

「最近暴力教会というワードが気になるジャンヌがお送りしました!」


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