945話 おとこの娘メイドさんと女性執事??


「兄さん酷いです!」

 怒りながらおにぎりを食べる佑那。

「普通にスイスイ避けて余裕そうなのって、修行なの?」

「……シュギョウダトオモイマスヨ?」

「兄さんが戻ってきたら報告「ウォーミングアップも昼食もとりましたので本格的に頑張ります!」…まあ、報告はするけどね?」

 佑那…その絶望した顔、兄さん見たらニヤリと笑われるよ?


 そろそろ時間かなと箱の前にやって来た。

「あと1分46秒のカウントですね〜」

 廣瀬お姉さんはそう言って僕を前に立たせる。

「えっ?なんですか?」

「マスター登録条件が初めて見た人とかだったら嫌じゃないですか」

「プログラム作った本人がいうセリフではないですよね!?」

「三分の一は迎撃機甲兵プログラムの流用ですから」

「その迎撃機甲兵は刷り込みのような手法なのですか?」

「?そんなわけないじゃないですか〜」

 じゃあなぜ言った?

「あっ、準備完了です!いよいよ起動させますよ〜」

 エンターキーを叩いた。

 と、箱の前に光の柱が立ち、そこに現れたのはメイド姿の人が8名、執事姿の人が2名立っていた。

 美人メイドさん5名と中性的なメイドさん3名。そして女性の執事2名だった。

「我らが主人に永遠の忠誠を」

 そして初っ端から全員が飛ばしてきたんですけど!?

「あ、はい。みんな宜しくお願いします」

 僕的にはそうとしか応えられなかった。



 うーん?

 話を聞くと名前はなく、現在戦闘に関してはそこそことのことだった。

 誰基準のそこそこなんだろうかと思いvs佑那で戦わせたら佑那と拮抗した戦いをしていた。

 あと、それぞれの性格によって殲滅型、護衛型と分かれているようだ。

 そして何より、全員なんか不思議な術が使える。

 SFチックな術だった。

 虚空に小さな魔法陣が出現したと思ったら、突然銃口が現れてビーム攻撃とか、物理弾丸発射とか。

 レイピア使いなメイドさんとかもう様々だった。

 執事なお姉さん達は片方が素手専門でもう片方は術盾…うちの重装救命官と似た感じの戦い方をする。

 全て佑那と戦っているんだけど…佑那、強くね?

 今の所負けていないんだけど?

 ビームも避けているし、レイピアの突きにも反応しているし。

「死ぬかと思った!」

「───これが地球人の戦闘上位層の実力ですか。10戦3敗7引き分け…我々も修練が足りないということですね」

 否定し辛いっ!

 確かに佑那は上位層かもしれないけど、しれないけどっ!

「あ、皆さんは食事によるエネルギー補給で問題ありませんか?」

 僕の問いに執事さんが代表して一歩前に出た。

「はい。この世界であれば大気中のエネルギー密度が高いので食事なしでも問題はありませんが、地球での活動となると食事が必須となります。

 地球などでの食事抜き活動であれば連続稼働時間は240時間です」

「食事はマンション1階の食堂かここで食べてね?僕作るから」

「主人様それは───」

「みんなにご飯を食べてもらいたから…だめ?」

「………ありがとうございます」

「うん。今日はみんなでお夕飯だ!」

「…感情の薄いロボを落とす兄。あれ絶対照れてますよね?顔真っ赤でしたし」

「後ろの子達も顔赤いから間違いないですよ〜…凄いですねぇ…」

 佑那と廣瀬お姉さん、何内緒話してるのさ…


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