931話 うみゃい!をアナタに


 箱庭の草原でみんな楽しく食事会をしている。

 事前に作っていたご飯と、後は現地で僕が作っている。

『『うみゃい!うみゃ!』』

『あらあら…』

「素敵すぎる神に仕えることが出来て、更に猫耳っ子がうみゃうみゃ言いながらご飯食べる姿を見られるなんて…前世でどれだけの善行を積んだんでしょうか、私」

「いや貴女救国の聖女でしょうが…」

「ここまでがテンプレ」

「ここからが天ぷら」

「はい、あなごとカボチャの天ぷらどんどんおいていくよ~」

 なんかジャンヌさんと佑那がわちゃわちゃしているのを横目に揚げたテンプラをどんどん出していく。

「江戸前天ぷらと沖縄天ぷら!?」

 因みに江戸前天ぷらと沖縄天ぷらの鍋は別にしています。


『はい!みやおかあさん』

 マイヤがコハダの天ぷらを母巫女にゃんこ…みやさんに渡す。

『ありがとうございますマイヤ様』

『様は要らないし、さんもいらないの』

『しかし呼び捨ては…』

 戸惑うみやさん。

 僕に次ぐ立ち位置にいるような存在にそう言われると…ねぇ?

「みやさん。マイヤと呼び捨てかマイヤちゃんと呼んであげてください」

『しかし…』

「本人がそう望んでいますから」

 必殺笑顔のごり押し!

『…分かりました。マイヤちゃん、と呼ばせて頂きます』

『!!うんっ!』

『…敵いませんね色々な意味で』

 そう言いながらマイヤをギュッと抱きしめるみやさん。

 一方リムネーはというと…

『りむねーおねーしゃん!うみゃい!』

『ええ、ええ、美味しいですよねぇ』

『リムネーお姉たま、嬉しそう』

『ええ。貴方がたが幸せそうに食べているのが嬉しいのですよ』

 ……なんか、お姉ちゃんと呼ばれて満面の笑みでお姉さんムーブしている。

 リムネーみやさんはほぼ同じ顔なのに、リムネーは大学生っぽくて、みやさんはめっちゃ人妻感が…ねぇ。

 みやさんのママ感が凄いんですよ…ママ感というか、未亡人オーラ?

 いや旦那は居ないんだけどさ…精霊的なモノだから…。

 もし配信に出したら世の中の人の母巫女にゃんこファン達が危ない?


「はい。ということで珍しく夜の配信です。ゆる姉様方もダウンしているので」


『まさかの』

『全世界結構凄いことになっているのに神子様は平常運転という』

『巫女にゃんこショックが凄いことになっているのに』

『もしかして神様方まだ立ち直ってない?いやまさかそんな…』

『いや待て、えっ?リアル巫女にゃんこって神の手無しでどうやって?』

『巫女様の奇跡じゃね?』

『…やべぇ、前例があるだけになんも言えねぇ』


 この視聴者さん達は僕をなんだと…

「えっと、ゲストさんを呼ぼうと思ったのですが、配信終了でも?」


『スマンかった』

『謹んでごめんなさい』

『巫女様はお美しい』

『バカお前!当たり前のこと言っても意味ねえよ!』

『意味ないどころか怒られるんだなぁ…』


「ゲストは母巫女にゃんこのみやさんと巫女にゃんこのみいくんです」

『あの、この丸い物に向かってしゃべるのですか?…初めまして。神楽巫女のみやと申します』

『あうっ、はじゅめまして…神楽みきょみにゃりゃいの…あうぅ…みぃでしゅ…』

「うん。みいくん頑張ったね、偉いぞ~」

『うにゃぁ………』

 コメント欄が凄いことになってしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る