917話 タイムとフィラの勝手に配信代行


 僕も着ぐるみバニーを着けて歌って踊っていたらみんなが「はわわわ…」って踊らなくなってしまった。

「慣れて?」

「「「可愛すぎて…」」」

「いや、慣れて?」

 まったく…本番でそれされたら困るんだけど…


「と言うわけで現在師匠達は通しで歌とダンスをしているんスけど…見えるッスか?」


『アカペラで歌って踊ってるとか正気の沙汰じゃないんだが?』

『巫女様って超越種?アイドルって種族とか?』

『ジャンヌさん達もそうだけど、妹君死にかけ…巫女様の衣装が変わった!』

『すげええええ!メドレー!?これ本番ではやらないよな!?』

『本番よりも厳しく容赦の無い通し稽古とは…』


「まあ、自分やフィラは裏方なんで問題は無いからこうやって代理配信を無断でしているんスけどね!」


『無断w』

『ひでぇw』

『主に対する背任行為じゃねえかwww』

『草立ち枯れる』

『その草は遺伝子組み換え品です』

『マジで巫女様どうなってるの?』

『それよりも、通し稽古やっている場所特定はよ』

『神様方の住んでいる場所だろ』


「まあ、そうッスね。師匠専用の場所ッス」

「ちょ、それ言って良いの?」

「問題無いッスよ。だって本気で師匠を害そうとしたり精神的にダメージ受けたらあちらに引き籠もって二度とここには戻ってこないッスよね?

 ならある程度情報を出してそれでも馬鹿やる奴が居れば師匠をあちらに待機して貰って、神国を空に押し上げたあと地球を見捨てたら4~50年で地球は死の星になるッスから!」

「サムズアップして言うことじゃないんだな…そうさせないために頑張ってるんじゃ無いの…」

「えっ?だってダンジョンが限界超えたら地球終わりッスよ?色々な文化が消えるのは残念ッスけど、それは人々が招いた結果なんッスから別に良いんじゃ無いッスか?師匠達が寿命削ったり死にかけてまで助けても「助けて欲しいなんて言ってない」とか嘘吐き扱いする愚かな連中なんて…」

「タイム、そこまでよ。マスターがいつも言ってたでしょ?誰にも気付かれないことが望ましいって」

「…そうッスね!気が付いたら師匠が居なくなって神々も消えていた…ってのが最上ッスね!」

「だからそれを言わないでと…」


『いきなり終末の話をぶっ込まれたぞおい』

『まあ、デスヨネーとしか言えんわな』

『神々を助けていた巫女様は結果的にはこの世界の延命を行っていたわけだからな』

『は?巫女様消えたら世界終わる?なんで?』

『神様どころか精霊の殆どが人間に愛想尽かしたからだろ?』

『いなくてもこれまで何とかなってきたじゃん!』

『見えないところで神様含め色々してたんだぞ?』

『ヒント:神敵判定受けた国の状態』

『あっ、作物も育たない大地になるのか』

『あと、今食糧自給できないところはどこから得てる?』


「まあ、大体そんなもんよね…都合の良いときだけ神様~って祈っても実際心から祈っていない。そりゃあ神々も助けたくないわ」

「でもそれ言ったら生み出した責任が~って言うんッスよね?」

「だから神様方はその責任として一度人だけを消し去ろうとしたじゃない。それを止めたのはマスターよ?」

「……今のうちに師匠からお小遣い沢山貰って調味料やお菓子を買い込んだ方が良いッスかね?」

「私も何かお駄賃もらえる仕事無いか聞いてこようかしら…」


『俺らが巫女様に見捨てられる前提で話し始めた!?』

『待って待って!』

『何焦ってるんだ?今更だろ。滅びるときは滅びるぞ』

『日頃のみんなの行いがどうなのかだしなぁ』

『今明日のライブ会場前に来ているんだけど、巫女様に似た人が何かしてるよ』

『今それどころじゃねぇ!』

『落ち着け。まだ見捨てられてないし人のことを見捨てていない神々も居るから!』

『具体的には巫女様マンション1階の食堂で飲み食いしている神々』

『ゴールデン神もきっと人に優しい!』

『昨日蒲田の飲食街でゴールデン神居たぞ?一緒に2時間飲んだわ』


「ちょ、天之御中主様!昼ここで飲んで夜飲食街行ってたんッスか!?」

「流石は酒カスの親玉…面構えが違うわね」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る