914話 ダンスの師匠は…
「佑那、通し終わったよ~」
「あっ、兄さ………水もしたたる良い巫女様」
「汗だけどね。あと巫女様言わないで」
『 』
『 』
『 』
『 』
『 』
『 』
『 』
『…色っぽすぎない?彼、男だよね?』
『…男の前に巫女だぞ?』
『いや、いやいや…あ、ダメだ俺。巫女様以外No, thank you.だ』
『おいぃぃ!?いやまあ、俺もそんな気持ちはあるが一歩下がれ!』
「あのですね?現在、配信中でして…」
「ふぇ?…あっ、こんな汚い姿だと駄目だね。汗臭いだろうし」
「桃の甘い香りですが?」
「佑那、耳鼻科行く?」
「いや本気で兄さんの体臭って汗臭い臭いじゃないんですけど!?」
自分の体臭って余程臭くないと分からないみたいだしなぁ…浄化はかけるけど。
更に綺麗になったところで服をチェンジする
「ああああああ!聖光が、浄化が憎いと感じたことは無いですっ!」
そこ、慟哭するレベルなの?
「巫女にゃんこの新しいもの以外は一通りしたけど、問題なしだったよ。あとは佑那が頑張れるかどうかだね」
「ぐっ…胃に負担が…ガンバリマス…って、兄さんあの後1から再度通しでやったんですよね!?何で普通なんですか!?」
「ライブって、20曲とかする事もあるんでしょ?僕15~6曲だから問題無くない?」
「それは歌手の方くらいです。激しいダンスの多い単独ライブだともうちょっと少ないと思いますよ?」
『サラッと増えてない?』
『待て待て。もしかしてノンストップでやる気?情緒壊れるよ?』
『感情がバグって凄いことになると思うんだよなぁ』
『嗚咽混じりで泣きながら笑顔でペンライトを振る』
『待て、まだ本当に踊れているか信じてはならない(踊ってるんだろうな)』
『妹でも無理なのに巫女様が踊れる…いや、踊れそうだよなぁ…』
「そう思って映像だけの1.5倍速リークッス!」
タイムさんがそう言いながら映像を流し始めた。
『すっげ、歌いながら踊ってるよ』
『音無いけどテンポに合わせている感じが良く分かる』
『これ、凄くね?』
『2曲目入りました。いや待て本気ノンストップ!?』
『カットしているようには見えないな』
『巫女様…エグイって』
『絶対おかしいってこんなん…誰だよこんな無茶振り付けしたの』
『スマン…曲を重ねるなんて思わなかったんだ…ユルシテ、ユルシテ』
『お前かw』
「ってな感じでとりあえず5曲目まで公開ッス!では!」
タイムさんが消えた。
「仲間に裏切られた気分…」
「兄さんが踊れないって言われたから我慢できなかったんですよ、きっと」
「きっとこの練習動画、仲間内で見るようなんだろうなぁ」
「まさかの無許可撮影w」
「タイムさんの今日のお夕飯はお粥もしくは重湯で」
「……甘んじて受けるッス…!」
苦悶の声で罪を受ける宣言してくれた。
多分誰かがおかずを分けてくれるでしょうて。
「ところで確認したいことがあったんですよ」
「ん?僕に?」
「はい。ダンスの基礎は誰から習ったんですか?」
「えっ?専門が居るじゃん」
「えっ?」
「澤辺さん。アイドルだよ?」
「あ、っ…」
「3時間もつきっきりでダンスの基礎を教えてくれたから基礎的な動きができるようになったんだ」
「何この学びの化け物…」
「化け物言うな」
「いつ!?」
「決定後すぐに空いている時間聞いてお願いしたんだ」
「…大はしゃぎだったろうなぁ…」
「なんかテンション凄かった」
『無茶苦茶ダンスパフォーマンス美味い澪ちゃん直伝かw』
『基礎習ってアレ?』
『その前からダンスは凄かったような…』
『いや、激しいモノは無かったぞ?』
『…ねえ、昨日の今日であんな風にできるの?』
『できたらアイドル半分くらい廃業だが?』
「なんかみんな凄い言いようなんだけど!?」
「言いますよそりゃあ」
佑那が真顔だ!
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