913話 佑那が代理の配信!


「兄さんが体力お化けだと知った二十歳の午後」


『いや何があったし』

『妹者の憔悴しきった顔よw』

『まーたとんでもない事に巻き込まれた?』

『巫女様案件でまともなことは一つも無いでしょうが』

『体力お化けの貴女より体力あると?』

『そんな馬鹿な…』


「聞いて下さいよ!兄さんライブでやる曲をアカペラで歌いながら5番までノンストップでやったんですよ!…私、4曲目でダウンしました。連続で踊るのは4曲まで」


『待て待てw巫女様覚醒しすぎじゃね?』

『3~5をノンストップ!?無茶言うな!人がやることじゃない!』

『は?できるからやってるんじゃねーの?』

『できて3~4連続。その後は5分の休みは欲しい』

『でも妹さんはダンスのみだろ?』

『そのダンスが無茶苦茶なんだよ!…待って?巫女様、歌って踊ってる?』


「うん。兄さん普通に歌って踊ってた。しかも歌声にブレなし」


『えっ?(どん引き)』

『巫女様化け物?』

『ごめんなさい。リスト見たとき試しにして無理だと判断しました』

『現役アイドルが1~3曲目で吐くレベルの苦行なんだが?』

『巫女様って、人やめたの?』

『巫女様の過去を知るモノとしては…やりかねないと思います』

『巫女様を知る人キター!』

『巫女様の偉業を教えて!』

『マジで!?巫女様そんな無茶する人なの!?』


「兄さんの偉業?聞きたいです」


『大学祭で1分ほどの長台詞を本番でノーミスでやりきった挙げ句会場を感動の嵐を呼ぶ伝説になりました』

『何その女優伝説的なものは』

『巫女様なら…巫女様ならやりかねない』

『でも人前苦手じゃなかったん?』

『あの頃の巫女様知ってます!大勢の人前だと小動物ぽくていつもプルプルしてた』

『プルプル巫女様w』

『何それ可愛い』

『で、自称友人が無理矢理引っ張り回したり「こんな事もできないの?」煽ってた』

『うわ、それアカンやつ』

『姫様の自己肯定感と自己評価が低いのって…』


「…あんのドグサレ自称最愛の友は…」


『女性が出しちゃマズイ声出してるよ』

『怖い怖い怖い怖い!』

『妹君!?お気を確かに!』

『でも気持ちは分かる』

『巫女様、誰かが引っ張ってあげないと帰宅部レベルの生活だったからなぁ』

『本人が良いならそれで良いと思う』

『大学行って友人作らない?えっ?』

『いや、友人というか、知人?信者?は沢山いた。男性3女性7の割合』

『待wっwてw』

『あの頃からかw』


「マジであの自称最愛の友、現ストーカーはずっと兄さんの幸せを邪魔し続けていたのか…マジ有り得ん」


『一応擁護!変な連中が近付いたら即ガードして周りにアナウンスしてたからね』

『いやそれただの彼氏面なだけじゃあ…』

『あー…』

『……ああ、そうとも考えられるような』

『もしかして変な連中(お友だちになりたい他学部の人)もあった可能性』

『えっと、あったかも知れません。陽キャは駆逐されてましたし』

『wwwwwwww』


「よし。結羽人兄さんにこの事は伝えておこう。奴の罪を数えてその数だけぶん殴ってくれるはずだ」


『無自覚な罪までカウントして殴ってきそうw』

『一撃で死ぬのに馬乗りでボコスカ?』

『体中をボコボコするの…』

『脳天からつま先までですね分かるとも!』

『いやいや、巫女様案件だろ?修羅降臨だ「貴様にには死すら生温い」とか?』

『有り得そうで怖い』


「うちの長兄を何だと思っているんですか…」


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