912話 ダンスレッスンとライブ通し(1回目)
あの後普通にお仕事をして、12時になったので…旅館のオードブル2つを出してお昼にどうぞと伝え箱庭へと移動した。
さて、2~3時間で一通りのダンスレッスンはできるよね?
佑那がバテていた。
「僕より体力あるのになんでバテるの?」
「何でって…兄さんの体力どうなってるの?踊りながら歌って息切れどころか声のブレがないんだけど…」
草原に大の字で寝転がっている佑那。
まだ5曲しか熟していない。
「…佑那のパート減らす?」
「……やだ。兄さんと、一緒に踊る」
ヨロヨロと起き上がる佑那だけど、3曲目でそんな状態だったら無理だよ?
「私には…スーパーモードがあるんだっ!」
「そんなものはない」
何の漫画かアニメを見たのかは分からないけど、言わせてもらう。
正直言うと、1曲目と3、4、7曲目は佑那のパートは要るけど、2、5、6曲目は無くても十分なんだ…済まない…僕が謝る義理じゃ無いけど。
それを伝えたら佑那の眼からハイライトが消えた。
「───私のやっていたことは…」
「無駄では無いけどね。因みにコメント欄見て?」
佑那にライブリストスレを見せる。
『3、4、5曲って連続して踊れる?』
『現役ダンサーワイ、解答を放棄』
『レッスン指導者ワイ、素人もプロも真似しちゃいけませんと断言する』
『えっ?これ連続で踊るんですか?って振付師の人が真顔で言ってた』
『これ踊りながら歌うのは不可能ですけど!?』
『巫女様無理しすぎじゃ無い?大丈夫?私のお胸で良ければ揉んで良いよ?』
『雄っぱい』
『現役アイドルに失礼な…』
『え゛っ!?』
「……いや、兄さんなんで歌って踊れるの?」
あれ?なんか化け物を見るような目で見られているんだけど?
マイヤとリムネーも参加して初めから通しで行うことになった。
佑那は1、3、4、7曲だけを踊るという事になった。
かなり葛藤していた佑那だったけど、マイヤの『無理なことはしない方が良いよ?』の一言で轟沈。
涙目で諦めた。
そして休憩しながら佑那はダンスのチェックをしているが…
「やばぁ…マイヤちゃんのチアコスダンスが尊過ぎて鼻血が出そう…」
マイヤのダンスに大興奮していた。
「そこで鼻血出したら7曲目踊れないでしょ…」
『分かります。超分かります!お姉様のチアコスのダンス、尊いですよね!?』
駄目だ。リムネーも暴走している…無茶苦茶食い気味に同意してるし。
『もうっ!2人とも真面目にっ!』
「『はいっ!』」
流石お姉ちゃん…妹属性特攻だなぁ…
なんて思いながらそのまま通しで続ける。
「……マジで兄さん普通に熟しているんですが、疲れないんですか?」
7曲目を終えて時点で佑那は疲労困憊で部台袖と仮定したラインまで移動できずにその場にへたり込んでいた。
僕は間奏中のダンスを踊りながら佑那の方を見て突っ込む。
「当たり前に疲れるよ?だけど、舞台を降りるまでは疲れたって言ったら駄目だよ」
「…兄さん。昭和歌謡の大御所か何かの転生体ですか?」
いやいや、それが当たり前って僕教わったからね?
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