887話 これで何度目?
配信を終えさてお夕飯は何にしようかと考えていると社用のスマホに着信が1件。
履歴を見ると特務課。
しかし1件のみ…間違いか、それとも聞きたいことがあったけど解決した?
そんな事を考えながら電話してみたが、8コールしても誰も出ない。
直通回線なのに?
通話を切り代表番号にかけ直す。
「あっ、済みません岩『巫女様ッ!たすっ、助けてください!突然武装集団が!』」
───えっ?
とりあえずすぐに重装救命官3名と護衛士官1名救命本部通信士1名を派遣した。
そして課長と巽さんを緊急でスタジオへと呼んだ。
どうやら2人とも本部襲撃は聞いていないようだった。
慌てる2人に対して元々重装救命官が居るためにそうそう突破できないことと、追加で数名派遣した旨を説明すると少し安堵した顔だったけど…正直僕は警戒を解いていない。
「反乱分子はほぼ一掃されたはずなんだが…」
「ええ。破落戸などもここ数年は関東圏内では問題事を起こすことはありませんし」
「えーっと、通信士、繋がっていますか?」
僕の問いにウインドウが開く。
『願います!、繰り返します!襲撃犯は仏神兵、襲撃犯は仏神兵です!』
どうやら本部とやりとりをしていたようだけど、その内容がとんでもなかった。
神道と仏教が殴り込んできた?神道の反逆神はほぼ対処したのでは?
そんな事を考えながらも白城さんの応援命令を聞き流す。
「姫!姫様しっかり!」
「…ああ、ゴメンちょっと考え事をね…えっと、内線105を…」
『はい、1階食堂です。どうかなさいましたか?』
電話を取ったのはウェスタ様のようだ。
「ウェスタ様、そちらに日本の神様…できれば須佐之男命以上の…」
『須佐之男様でしたら現在皿洗いしていますけど…あっ、天之御中主様に電話を替わりますね』
須佐之男命が皿洗い…
『はいはい電話替わりましたアメサンですが?』
「───天之御中主様、現在協会本部が仏神兵に襲われているそうなのですが」
『…んんっ?…神将はいないから雑兵を仏神の誰かが吸収して使っているんだろうね。これは拙いなぁ…ちょっとあちらの上に確認取ってみるよ』
そう言って通話を切られた。
映像はそのまま流れ続け、増員が駆けつけ結界強化と治療を行う光景が映し出されていた。
「しかし、仏教でそのような仏はいたか?」
「……いえ、思い当たりませんが」
仏教、仏教………あっ、
「岩崎?」
「仏教、インド、弓…そっか!狙撃犯は仏教関係者か!」
「狙撃?ゼウス神狙撃未遂か!?」
「しかしそう判断するのは軽率では?」
「ゆーちゃんゆーちゃん!本部が襲われてる!」
ゆる姉様が空間を割ってスタジオに現れた。
「今対処しています。ただ、仏神兵とのことなので天之御中主様経由であちら側に確認を取っていただいています」
「私は自由に動いて言い!?」
「ゆる姉様お願いします」
内線が鳴った。
「はい。岩崎です」
『やあ、あちらさんも大混乱しているよ。ただ、反乱の首謀者は分かった』
「…何方でしょうか」
『他化自在天だ』
………ああ、そうきたか。
僕は頭を抱えることになった。
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