885話 マイヤ、少女になる?


 湖の辺で僕はゴロンと横になり、お昼寝をする。

『パパも泳ごうよ~』

 マイヤが一緒に泳ごうと誘ってくれるが、何だかとっても眠いんだ。

『マイヤお姉様。私と一緒に泳ぎましょう』

『うんっ!』

 リムネーがマイヤと一緒にお泳ぐらしい。

 あ、眠すぎて───



『パパ眠った?』

『はい。普段の疲れが漸くまともに流れ出したようです』

 暫く共に泳いでいた2人は友紀の隣に座る。

『パパが一番がんばっているのにね』

『あれだけの食事に祈りを籠めながら作り上げる…控えめに言っても異常です』

 リムネーはため息を吐きながら友紀の髪を手櫛で梳く。

『パパはママだから』

『…慈母というのは、母というのはああも大変なのでしょうか』

『調べたらそんな事無かったけど、大変と言えば大変かな?』

『毎日繰り返すのですから大変なのでしょうね…』

『パパにありがとうと大好きをたくさん伝えたいよ』

『そうですね…作り出してくださり、娘として生活を共にしてくださる』

『ご飯作ってくれて、マイヤを優しく抱きしめてくれて、たくさんたくさん愛してくれるパパが好き』

 水着からいつもの服に戻し、マイヤは友紀に抱きつく。

『私も、お父様が大好きです』

 リムネーは眠っている友紀の頬にソッとキスをする。

『あっ、マイヤもする』

 マイヤは反対側の頬にキスをした。

『『…』』

 2人は顔を見合わせ小さく笑うと目を瞑った。


 目を覚ますと、いつものようにマイヤとリムネーが僕に抱きついて眠っていた。

「マイヤ、リムネー?……マイヤ?」

 と言うか、マイヤが大きくなって…小学校低学年くらいの大きさになってるぅ…

「マイヤ、マイヤ起きて。大きくなってるよ?」

『マイヤお姉様に何か!?』

 ガバッとリムネーが起きた。そしてマイヤを見て呆然としている。

『お姉様が幼女から少女に…!』

「うーん…どうだろ、まだ幼女と言っても良いくらいの大きさだけど」

『お父様、マイヤお姉様が尊すぎて苦しいのですが抱っこして良いですか?ハグしてイイですか?』

 リムネーが小声で大興奮だ。

「…いいんじゃない?」

 僕がそう答えた瞬間にリムネーはマイヤを抱き上げて思い切り頬ずりした。

『お姉様可愛い可愛い可愛い可愛い』

『んにゃ?りむねー?どしたの?』

『お姉様が成長しているのです!』

『ん~……?小さくなる』

 あ、元の大きさになった。

『どっちのお姉様も最高です!』

 ブレないなリムネー…

 でもそっかー…マイヤも成長しているんだなぁ。

 そろそろ僕の胸の上で寝るのは(僕が危険だから)終わりかなぁ…

 ボーッとそんな事を思っているとマイヤが完全に目を覚ましたようだ。

『マイヤ成長したんだ…』

 アレ?なんか嬉しく無さそう。

『マイヤ成長したら、パパと一緒に寝たら駄目?』

「?流石に僕の胸の上は僕が危ないから駄目かなぁ…隣なら良いよ?あと、成長して何かできること増えたの?」

『う~~~~っ…パパの胸の上がいい…あ!んっとね、外界である程度なら1人で移動できる!』

「どれくらい?」

『1日!』

「おー…1人でお使いとか行けるね」

『や!パパと一緒がいい!』

 マイヤはそう言って僕に抱きついてきた。何かゴメンね?突き放すような言い方に聞こえちゃったかな?


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