883話 踊る阿呆に…
現在僕は無言で踊っている。
切っ掛けは佑那の台詞だった。
「兄さんは皆さんで歌って貰おうとは思わないのですか?」
「どういう事?ライブ自体常軌を逸した大がかりな罰ゲームとしか思ってないよ?」
「常軌を逸した…兄さんはそう思っているのかも知れませんが、テンポの良い曲に関してはお客さんも一緒に踊ることで一体感を得ることができると思いますよ?」
「えっ?やだ」
「…兄さんェ…」
その後マイヤとリムネーに説得&お願いされて仕方なくダンスを撮影することになった。
狩衣姿で。
何で?
「タグに”10分間だけ舞ってやる”、”DANCING平安貴族”を付けた方が良いかな…」
良く分からないけど意味不明すぎるから止めてね?
とりあえず2曲分踊った。
「これで良いでしょ?」
無言でサムズアップするのは良いけど、鼻血鼻血。
「あとは、歌の全リスト頂戴!」
佑那に一応現在の曲のリストを渡す。
「…11曲目の???はなに?あと、巫女にゃんこ奉納歌の3番目は?」
「???はちょっと出して良いか検討し直さないといけないから。あと巫女にゃんこ奉納歌のラストはまだ連絡来てないよ」
僕の言葉に佑那は暫く考えるような素振りを見せ、
「……ちょっと私配信して強請ってくる」
恐ろしいことを言ってきた。
「相手はお仕事詰まっている人らしいから止めてあげて!?」
止めはしたけど、佑那はちょっと怒った感じで行ってしまった。
「───ということなんですけど、どう思います?」
『巫女様のダンスが可愛くて凛々しい』
『何故巫女服じゃ無いっ!?』
『あの薄衣のチラリズムがない、だと!?』
『ちょっと作詞家さぁーん?』
『漫画描いている場合じゃないでしょ?』
『駄目出し&差し戻しのダメージが酷くてですね!?』
『私もアレは却下で当然と思いました』
『草ア!』
『巫女にゃんこの最終過程すっ飛ばすのは打ち切りエンドレベル。連載打ち切るぞ』
『担当どころか編集長と思しき人までおった!?』
『自作品以上のプレッシャーが凄いんですからね!?』
「皆で楽しく踊って貰うためにと皆で兄さんを説得してあの格好なんです!嫌なら動画消しますよ!?駄目出し…兄さんが駄目出しって…余程ですよ?これまでの巫女にゃんこの心情ぶち壊したんですね」
『そのレベルなの!?』
『作者さんそれはアカンやろ…ライン超えやで?』
『前に楽器送ったのをメインに色々考えすぎてそうなったんですぅぅ!』
『スンマセン!動画消さないで!?』
『いっそ巫女様に歌詞を書いてもらうとか?』
『お前…天才か?』
『いや巫女様の仕事増やすなや』
『巫女様は歌詞覚えて振り付け覚えて歌いながら踊らなきゃいけないんだぞ!?』
『そう考えたら…コンサート自体無理じゃね?』
『常人には無理』
「まあ、8曲は覚えて踊っていたけど…衣装問題とか色々あるから…うん。無理させないで?」
『待って?もう覚えたの!?』
『巫女様の頭脳何なの?』
『やばいやばい締め切りいつなの!?急いで巫女にゃんこ奉納歌ラスト作成する!』
『合格点、もらえるといいね…全世界が採点者だが』
『超絶恐ろしいプレッシャーw』
『あ、先生がお腹押さえて倒れた。ちょっと救急車呼びます』
『担当者ぁぁぁぁっ!?』
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