881話 神国ライブ会場はカウント外という
せお姉様が何を企んでいるのか小一時間問い詰めようとしたらあっさり自白した。
「他の神々が見たいって!でも1箇所に集中している状態だとマズイから2〜3箇所に分けて欲しいんだって」
実は中間管理職なせお姉様。
その折衝(という名の上からの押し付け)をどうにかして人間サイド含め良いようにまとめようとしている。
「国内2箇所と神国は勝手に大聖堂にでも投影してやるから良いかな」
そう言いながらせお姉様はポコポコと虚空からカメラを量産している。
祓戸の神ではなくカメラの神様、配信の神様になっちゃわない?
「祓戸様、大阪と九州の会場を押さえました」
「国が動いた?」
「はい。国主導でチャリティー席も設け行うようです」
うわぁ…本格的ぃ…
ちょっと頭を抱えながらも冷静に13〜4曲でよかったのかと考えてみる。
1曲3〜5分、インターバル等を入れても大体1時間くらいとして…うん。20曲くらい歌ったほうがいいのかな?そう思ってみんなに聞いてみた。
「…ああ、これが殺る気というものか…」
「大量尊死犯はいうことが違いますね。私としては曲の間は5〜10分は心を落ち着ける時間が欲しいくらいなんですが…」
「……あのね?人もそうだけど神もてぇてぇの過剰摂取は死ぬの。神を何度も尊死させているからわかっていると思っていたんだけど?」
───なんか、結構な言われようなんですけどぉ…
まるで僕がロクデモナイ人間のような言いようじゃないですか!
プンプンですよ!プンプン!
「あー…岩崎、とりあえず全曲出揃ったのか?」
「あ、あと数曲はまだですね。課長と巽さん選曲の2曲が来てあと3曲…かなぁ?」
「自分が歌った曲、覚えてないパターンだこれ」
「ですね」
「封印曲を歌うかどうかなんですよ…映像でも良いんですけど、そうすると色々バレてしまうというね…」
「「「あー…」」」
みなさん納得の表情。まあ、当たり前ですわな。
「いや、でも手遅れかなぁ…既にCMを見た人間は人以上の存在と思っているはずだろうしなぁ」
なんですと?
「あれは…ええ、そうですね」
「反則だよねぇ、あれ。歌の順番もだけど、泣いちゃったもん」
せお姉様でも泣くレベル…いや、結構泣く神様だよね、せお姉様。
「…あのCMを見て私は約定を一命を以て破棄しようと決意しましたし」
いや重い重い重い重い!巽さん重いよ!?
「確かにあれを見たらなぁ」
深く頷く課長。
「佑那…人の運命を変えてるんだ…」
「いやお前さんがな?」
酷い…
「なんか心外だって顔してますけど、明らかに姫様がメインでやらかしていますからね?」
「えっ?」
僕かぁ…僕がやらかしてるのかぁ…
「反省のためにライブやりませんってのはダメですか?」
「「「ダメです」」」
ダメかぁ…
「しかし、選曲かぁ…既存曲からじゃダメか?」
「権利団体と話合いでしょうね権利保持者が許可しても団体が口出ししてくることもありますし」
「だよなぁ…まあ、調べるとしよう」
課長がため息を吐きながらも調べる決意を固めていた。
いや、「セクシーなものを」とかちょっと…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます