880話 巫女巫女ないとフィーバー
「ただいま戻りました〜」
「私も帰ってきましたー!」
「あっ、お帰りなさい。暴走配信お疲れ様です」
「藤岡さんと巽さんがライブコンサートの件で打ち合わせがしたいと」
「打ち合わせ?なんだろ」
「岩崎、済まんな」
課長と巽さんはスタジオで待っていた。
「おはようございます。今日出勤の方は?」
「2人とも休みだ」
まあ、お二人にはゆっくり休んでもらいたい。
「早速なんだが…ライブコンサートに関してなんだが、会場は押さえてある。日時は来週末。機材やスタッフなど全て手配済みだ」
「…そんなに簡単に手配できるものでしたっけ?」
「普通ならできないだろうが…まあ、お前さんの人徳のおかげだな」
「ただ、バックバンドが曲を覚えるだけではなく完璧な演奏と姫の歌声と魅力に耐えられるのかだけが問題となっております」
「あー…バンド演奏ですか…そ「それなら心配ご無用!この配信カメラを会場内16ヵ所に設置してそこから音楽を流すよ!」…せお姉様、ずっとドアの向こうで待機していると思ったら…」
せお姉様が配信に使っているカメラを抱きしめて現れた。
「あの、しかしそれだと臨機応変な楽曲対応が…」
巽さんがオロオロしながらせお姉様に懸念点を挙げるけど、
「問題ない問題ない!AIと人工精霊搭載のカメラだし、何よりも廣瀬氏が現場で指揮をするんだよ?」
「「あっ、それは安心だ」」
───なんで課長達までそんなに廣瀬お姉さんに対して全幅の信頼を寄せているんですかねぇ!?
「服装などについても僕側でチェンジ可能なので心配はありません。直前に一度音響、照明チェックと一曲だけアカペラでリハーサルしてみます」
「大丈夫ですか?そのリハーサルで会場が神域になりませんか?」
いや巽さんなんてこと言うの?フラグ?フラグなのかな?
「神様方も見ているはずなのでそこら辺はきっと押さえてくれていると思うんです。何よりも怖いのはチケットとか配信とかそう言った部分なんですけど…そもそもチケットってないですよね?」
「予定はしていませんでした」
「身内だけ中に入れて会場はいて2〜300名と言う予定だったんだが…」
あれ?
課長の言葉に引っかかるし、2人とも「でした」「だった」って…
「協会枠400名チケットはなんとか確保できましたが、会場は一般客が入ります」
…まあ、まあまあ、うん。それも想定していたよ。していたともさ。
そこのとについて一応言及していたし?
「はいはいはいはい!そのことに関しても僕らから一言物申す!」
せお姉様が手を挙げて発言を求める。
「なんでしょうか」
「あと2ヵ所ほど会場貸し切って欲しいんだ。そこに立体映像を映し出してみんなに見てもらうってのはどう?」
「人では詳細で激しい動きはあまり…」
「数十世代先の技術だよ?今いる姿と寸分違わないしカメラと連動しているから他の会場は音響設備と通信機器だけあれば良いんだよ?」
「「……」」
課長と巽さんは難しい顔で唸る。
結局この話は『巫女巫女ないとフィーバー委員会』というライブ企画チームと課長達で話し合う事となった。
いやいつの間にそんな恥ずかしい委員会を立ち上げたのかなぁ?
あと、なんでせお姉様がそんな超技術で殴りかかってくるのかなぁ?
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