879話 みにくいあらそい


「スケスケ巫女服だ!」

「男性バニー姿こそ至宝です」

「私としては普通のエプロン姿ですね〜」

「兄者さんに見せてもらったはだけパジャマほろ酔い甘えたがりがベストです!」

「「「…ギルティ!」」」

「これをギルティ扱いとは、さては皆さん心理的イングランド軍ですね!?」


 うーん…どうしたものか。

 歌は覚えた。ある程度歌える。

 でも、なんだか違和感がすごい。

 服が合わない。

 かと言ってみんなに聞いたらまーた趣味全開な服を用意するんだ。

 さてさてどうしたものかなぁ…服は瞬間着衣できるように設定されているけど、何を着るかなんて僕考え切れないしなぁ。

『パパ悩んでるの?』

 マイヤが白獅子に跨ってやってきた。

「うん。衣装も立派な舞台効果だからね。どうしても見直さなきゃなあって」

『マイヤたちのも見直すの?』

「マイヤ達のは見直さないよ。というかマイヤ達と一緒のものは見直さない。他の歌のを見直すんだ」

 マイヤ達とのものに関しては恥ずかしい云々ではなく、家族でお遊戯といった感覚だから本気で酷い格好でなければ僕は良いと思い直すことにした。

『パパはお洋服色々着るのはいや?』

「嫌ではないんだけど、僕はあまり色々着るのは苦手だから…ほとんど変わり映えのない服着てるんだよね」

 僕はファッションセンス皆無なのさ!

『だからみんながパパに色々着せたがるんだね!』

 そだねー…なんでそんなに着せたがるんだろう。

 ───は、どうでも良いとして、今は服のことに関して考えなきゃいけない。

『何か書かれていないんですか?』

「…カカレテイルケドカカレテナイトオモイタイナァ」

『パパ…』

 あっ、マイヤにジト目受けちゃってるぅ…



『ライブで着る衣装って決まっているのですか?』

『そういえば日時は決まっているんですか?』

『詳細はよ』

『どんなエロい服を着てくれるんだろうか』

『ああ、言ってはならんことを…粛清されるぞ』

『残念ながら君は…終わったな』


「はいはい喧嘩しないでくださ〜い」

「くっ、スケスケ巫女服はそこまで人気がないというのか…!」

「それはそれこれはこれです」

「修道服でも良いと思うんですけどね」

「それは確かに…」

「はいはい話を戻しますよ〜無事あの黒い壁を撃破された訳ですけど、何か情報はありますでしょうか」

「私は破壊任務のみで他はわからない」

「同じく…」

「ですよね〜…こちらに入っている情報としましてはあちらの中は何もない空間となっていたので岩石を大地にして誤魔化しているそうですよ〜」

「えっ?じゃあその岩石を破壊したら神界に行けますか?」

「残念ながら行けませーん。さらにいえば下は保護層があり、その下はマグマが流れていますので残念でした」

「神の国は遠くに…あ、身近にありますね」

「セルフツッコミというか自己完結はやめてもらっても良いですかね?」

「では国土すべて岩の大地ということでしょうか」

「です〜。彼の国跡は不毛の大地となっていますのであとは人間がなんとかして下さいという感じだと思いますよ〜」

「…まあ、それしかないだろうな」


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