878話 佑那吠える
起きた。
寝る前に地球での出来事を兄さんに報告書形式でメッセージを送っていたら…
普通に返信が来ていた。
佑那のメッセージ着信は基本マナーモードにしているらしい。
ただし緊急メッセージのみ着信通知があるとの事。
───兄さん、佑那の扱い、雑すぎない?
その佑那は早朝から雄叫び上げてランニング&修行中です!
「チックショォォォォッッ!!」
早朝から課長と巽さんが呼び出されていた。
廣瀬お姉さんに。
要は配信のゲストに呼ばれたらしい。
むちゃくちゃ自由な配信に駆り出されたのかぁ…むちゃくちゃだ。
「はいよーおはよう皆の衆、イカれたタイムカード廣瀬です」
「buen díaジャンヌです!」
「いや貴女なぜスペイン語?」
「おはようございますをググって言ってみました!」
「この聖女、自由すぎる」
『イカれたタイムカード(意味深)』
『それって退勤がイカれてるの?それとも出勤が?(震え声)』
『タイムカードは切った後が勝負なんだよ』
『貴女はフランスの聖女ですよね?』
『なんて酷い言語でのナックル』
「今日はゲストとして一部地域でホットなゲストを無理やり引っ張ってきました」
「早朝どころか昨日問答無用で参加決定させたとか」
「まあ、フラフラしていたので拉致予告しちゃいました!」
「藤岡博子だ」
「巽彩弥子です」
「お二方は巫女様の職場の上司と同僚であり、今回あの黒い壁撃破任務を無事達成された方々です」
「私達は現地まで届けて突き刺しただけに過ぎない」
「私はスペアとして行っただけです」
「巽、後があるのと無いのとでは大きく違うんだ。そう自分を卑下するな」
「いえ、あの恐ろしい戦場で黒い銃弾を避けながら突っ込むなんて恐ろしい事、私にはできませんでしたよ」
「できるできないではない。やれ…ということだ」
「…はい」
『パワハラw』
『届けただけ(ただし攻撃はvs軍です)』
『いや軍は…ないよな?』
『すまん。送った際にうちの軍用車両が大破した。無事でよかった』
『相手の黒い軍隊に単独で戦い挑んでいたクレイジーな女武者でした感謝』
「なーんか関係者が混じっているんですけど?」
「まあそれは当然かと思いますよ〜?」
「実際軍隊と戦っていたんですか?」
「まあ、言う程大軍隊という訳ではない。ただ、相手の攻撃は結界貫通とか恐ろしいものが多かっただけだ」
「その時点でアウトだと思うんですけどね」
「…部隊と戦闘している時点で私が先に着いていなくて良かったと心から思います」
「いや、まあ…あれはなぁ」
「あの状況で普通にいられるのはどうなんですかねぇ」
「普通じゃなかったからな?」
「またまた〜」
「課長は絶対にニヤリと笑って挑んだと信じて疑っていません」
「巽、そんなふうに思っていたのか…」
「まさにバーサーカーですね!」
「「「………」」」
「あれ?」
「いやあ、貴女には言われたくないと思うんですよ」
「ええっ!?」
「…うん。貴女にはバーサーカーと言われたくない」
「歴史から考えると貴女には言われたくないと思うんですよ」
「私、そんなにバーサーカーでした?」
「「「はい」」」
「普通だと思うんですけどね…神の導きですね!」
「「「とってつけたような台詞だ」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます