876話 いや本当にどうしろと?


「無事蘇生完了…鼻血で失血性ショック症状ののち心停止って、ここでなければアウト案件だな」

「走馬灯すら兄の艶姿だったんだろうな…笑顔だったし」

「空間操作で血を集めて浄化、そして戻すなんて暴挙はしたくなかった…」

「それで普通に起きて感謝できるこの子って何?」

「野生の化け物だろ」

「お二人とも私に対して当たり強すぎませんか!?」

「「いや当然だろ?」」


 課長と巽さんと僕で箱庭を出てスタジオに入る。

 タイムさんがセットを弄って通常テーブルを三角テーブルに変えてあったのでそこに座る。

「まずはミッション達成お疲れ様でした」

「ああ、本当に近代兵器の恐怖を感じたよ」

「重装救命官でしたか…彼等が吹き飛ばされる姿は流石に死を意識しました」

「黒い部隊の戦車砲でも吹き飛ばないのにあの狙撃で音もなく吹き飛ばされたのはなぁ…一瞬頭が真っ白になったぞ」

「「えっ?」」

 うちの重装救命官さん、強さの強度おかしくない?

「しかし、接近時の重装救命官は凄かったです。その狙撃すらものともしませんでしたし、何より軍用トラックを吹き飛ばしましたから」

「ああ。しかも喋ったからな」

「しゃべっ!?」

「あ、それは向こうに長らく居て完全体になったかららしいです。あと、大量に送り込めなくてごめんなさい。現在向こうの調査チーム派遣しているのでその絡みで増員が難しかったんです」

「毎日広がっていると聞いたが、大丈夫なのか?」

「?問題ないみたいですよ?」

「ちなみにですが…どれくらいの広さになっているのかは…」

「オーストラリアよりは大きいらしいです」

「「ええええ?」」

 いやなんでどん引きしてるの?

 僕だって引きましたけど、作物植えたらたくさん収穫できるから今の地球に出荷…とか思ったもののとんでも作物ができたら怖いのでもう全部マイヤにお任せですよ。

「───姫様。私は姫様にお詫びしなければ…」

「あ、巽さん。神様に何を脅されていたのかは分からないけど問題起こしていないのなら謝らなくてもいいよ?」

「ぅえ!?」

「……」

「巽さん他のことは問題ないのに僕と接する時姫様巫女様変わったり物凄く躊躇いながら接してくる時とか、ああなんかあるなって」

「………」

「気付かれて…」

 呆然としている巽さんには悪いけど、課長も気付いていたと思うし。

「岩崎に対しての執着は凄いからなぁ…巽は」

「〜〜〜〜〜〜!!」

「そりゃあ神も助けてくれなかった呪いを解いた訳だしなぁ…元々気にしていたのにそうやってやられたらなぁ…」

「課長!?」

「あ、そういえばライブの件なんですが」

「「スルー!?」」

「えっ?お二人からのリクエストだったと思うんですが」

「いや、まあそうなんだけど…」

「えっと、姫様…」

「あ、スクール水着は絶対拒否ですからね!?」

 絶対に譲れないラインはそこだ!

 スクール水着に比べたらナース服やチアガールはまだギリギリ妥協…いや出来ないって。無理だよ。

「あと、曲は2曲ほど空きがあるのでお二人で選曲お願いしますね」

「「!?」」

「えっちなのは、ダメですよ?」

「「その格好で、言われると…」」

 いやどうしろと?


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