844話 行列のできる食堂(神聖人割りあります)
どうしてこうなった…
現在、僕が知っている精進料理や擬き料理をウェスタ様に教えている。
「撹拌時の加減一つで…っ!?ではあれは二層構造なんですか!?」
「はい。海苔のすぐ上は攪拌前のもので、ちょっと固めの食感を、そしてすぐにこれを上から乗せて形成をする。これは3~4分でやらないと海苔が大変な事になっちゃうから時間との勝負なんですよ」
「「「うわぁ……」」」
増えた!?
ある程度作るとウェスタ様とマネージャーさん…戸森さんもコツが分かったようでササッと作れるようになっていた。
「先人達の知恵って、凄い…」
「先人と言うよりも、日本人と言った方が良いと思います」
いやぁ、他の国でも食の工夫は多いですよ?よりにもよって神様に日本人別枠扱いされると…僕が言えた義理じゃないけど!想像力変態の日本人って言った前科が…
「新メニューとして早速!」
「ええ!やりましょう!」
……ウェスタ様、食堂の神という称号が追加されそうな予感が…
なんて事を思いながら食堂を出ると、何故か色んな人が並んでいた。
最前列の人、髪が螺髪みたいに編み込まれていたなぁ…
その後ろはいつもの大使だったし。
全員に軽く会釈をすると全員から拝まれた。
いやほぼ同時に全員から拝まれると怖いよ!?
箱庭に戻り、軍病院へと向かう。
院長室兼司令室に入ると白城さんだけが仕事中だった。
「白城さーん救命士さんあと2人ほど食堂に回してください!」
「それは構いませんが…何かあったのですか?」
「行列ができているんだ、1階食堂に」
「何をやらかしたんですか?」
ノータイムでそう言われた。
「僕がやらかした前提!?」
「それ以外ないと確信を持って言えます。配信で伝えたとか」
「………うん。配信でうなぎ擬き作ってあーんして「待ってください。あーん!?」えっ?うん」
えっと、なんだか怒ってる?
「……だからメリアが突然倒れて…あいつめ、私に仕事を押しつけていたな?」
「白城さん?」
一瞬もの凄い形相だったけど…もの凄く忙しかったのかな?
「───分かりました。ただ、本当に2名で宜しいのですか?」
「えっと、念のためにエントランス警備も、欲しいかな」
「救命士4名と重装救命官2名を1階食堂に派遣します」
「お願いします。あの、白城さん…怒ってます?」
「メリアに怒っているだけです。仕事せずに配信を見ていたのかと」
「白城さん達のお仕事って、なんですか?」
「この箱庭の調査報告の確認と、召喚に支障が出ていないかの確認。ここの神気によって進化を遂げた救命士達の切り分け等です」
思ったより多かった!?
「箱庭の調査もしているんですか!?」
「突然攻められた際に何処に何があるかも分からなければいけませんから。現在8方向に合計96名ほどの調査団を放っています」
「かなり大がかり!?マイヤに聞いたりしてないの!?」
「勿論彼女からも聞いています…第2次調査団まで送り出しての96名ですから大がかりですね…それらから常に報告が上がっておりますので」
えっ?待って?そこまで広がっているの?
そっちの方が大事だと思うんだけど!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます