【800万PV感謝】ダンジョンのある現代でTS化した僕は全力で癒やし要員となる

837話 なぜなにアディエーナ様！

「先方に大ダメージが行った可能性が却下された理由はなんでしょう？」

「ゼウス神にまでダメージ与えられる危険物を作れるような神が弱い神な訳ないと思いますよね？」

「まあ、そうですね」

「あと、裏切ったとしても神は神。で、そんな神様がもし泉の水を手に入れたら？」

「？？？」

「アディエーナ様、泉の水は神々でもダメージを負います。超濃縮神気はそこまで危険な物です」

「でも、その神の力が上位クラスであった場合は？」

「「………」」

　お二方の顔色が変わった。

　あっ、回復する可能性もあるんだ！

「それにその神が手を出したのならなんとしてでも矢は回収するはずです」

「でも、どうしてあんな概念空間振動まで起きたのに矢が無事なんだろう」

「それは、まだ役目があるからかと」

　アディエーナ様はそう言いながらかなり強力な結界を矢に張って一息吐いた。

　まだ役目がある…あるとすればどんな？

　さっきみたいな事はできなくなっているみたいだけど、今だ役目を負っているとすれば…所持者の追跡とか？

　ああ、その場合は僕の誘拐か。

　でもなぁ…今時空神であるアディエーナ様が結界を張ったけど、それを超える事の出来る神様って、創造神クラスだよね？

　アディエーナ様はここよりも上の世界の主神クラスだし。

　プライベートボックスは汚染された様子もないし。

　うーん、謎だ。

「ゆーちゃんは危ないから暫くの間みっちゃんと一緒ね！」

「えっ？」

　僕が考え事をして居る間に何かが決まったようだ。

「でもミツルギ姉様は忙しいのでは！？」

「みっちゃんを休ませなきゃ…！」

「思い切り働かせている神の台詞とは思えません」

「だって細かい作業苦手って言いながら色々できるし…」

　だからといって自分が苦手な作業全部押しつけるのはどうなんだろうか…あとそれはイロイロ出来ないと拙い状況だから必死になってやっている結果だと思うんですよ…分かってあげてください…

「あ、コレどうしますか？もし問題がなければ午後の配信で浄化作業行いますが」

「うーん………せっちゃん、管理して貰っても？」

「僕無理！強力な神が転移してきたらアウトだよ！？」

「だよねぇ…かといって…」

　アディエーナ様をチラリと見るゆる姉様。

「私が預かりますか？」

「イケメンドストライクな神が敵だったら？」

「？岩崎家のお二方より？中も外も綺麗な２パターンの超絶イケメンがいると？」

「…大丈夫そうだね」

「あっ、僕もう一度結界張ります」

　念のため欲避けを祈りながら結界を張ってアディエーナ様に渡す。

「えっと、この不思議な色の結界は？」

「アディエーナ様に悪い気が付かないように願いながら張りました！」

　やってみたらできた自信作です！言わないけど！

「～～～～！もうっ！好き！」

　アディエーナ様に抱きつかれて頬にキスされてしまった。

　ニッコニコ顔のアディエーナ様達と別れ、箱庭へと向かう。

　今度は弾かれることなく中には入れたのでそのまま神所へと移動する。

　お水とかお酒使ったらやりすぎと言われたので祈りを捧げよう。

「今この時悪を打ち倒さんと戦う善き神々へ祈りを捧げます…」

　あれ？なんで僕の脳内でゼットなマフラーアニキの曲が流れ出したのかな！？

　その時なの？なにが！？

　無心で祈っていたはずなのになんか無茶苦茶脳内BGMが熱かった。