821話 引用が従であり出典明示があり公表されているのなら…
『いや、巫女様?いくら何でも…』
『これ、普通に言ってるぞ?』
『マジで?やらせでは無く?』
『あの~?提出番号33番について教えていただきたいんですけど』
「あ、はい。確か”死霊戦における戦士職との相性と対策について”ですね。こちらは2007年に個人研究のジェシカさんの研究論文をメインで引用しています。あとはその4年後に大学のトンプソン研究室での論文で補強する形ですけど…あれ?」
『その2007年の1年前に個人で死霊対策を提唱した人がいるのですが?』
ああ、その人の事も調べてあるんだ。
「トマスさんの事ですか?残念ながらネット上に提唱というだけで論文ではないので今回は除外しました。それを言ってしまうと1998年に日本人退魔師の赤城さんの提唱の方が早い事になります」
『巫女様…どんだけ調べてるの?』
『でも巫女様研究職じゃないよね?』
『しかもレポートって言い張ってるし』
『あの時大変失礼な言動をしてしまった事お詫び申し上げます@赤城』
『ちょ!?本人様!?』
「いえ、突然不躾な確認行為だったと私の方も反省しております」
「という事なので気にしない方が良いですよ~」
廣瀬お姉さんがそれ言っちゃうんだ…
『ご配慮感謝致します』
『巫女様さっきから真紀奈さんに刺されまくってるw』
『巫女様のレア顔多いなw』
『さあ次の犠牲者は誰だ?』
『提出番号71番の件なんだが』
「71番…あー、今回のレポートの前々段階のレポートで”思念と生体防御の因果関係”でしたかね…権利関係に関しては会社の方に移っていましたが、引用上は問題無かったはずです。
それと、71番は奥さんの方からは許可を頂いておりますしそれ以外は中央本部の方で確認を取れたとの事でしたので何かあれば中央本部へお願いします」
「まさかの投げですか。それと論文引用に関しては大規模引用では無くあくまでも部分引用でありレポートの補強出ある事。
そして公開された論文を元に行われているようなのでこれにいちゃもんつけた場合は…世界全ての研究者を非難する事と同義ですよ~?
あと、念のために許可を取っている事やそのレポートも資料として一般公開されているわけですから…この意味分かりますよね?」
廣瀬お姉さんがイイエガオを見せる。
「一応2つほど一般に公開されていない論文を引用しましたが、これは中務省と防衛省所管の論文ですし承諾を得ていますので…そこはそちらにお願いします。というか軍事機密レベルの物をレポートに書けとか無茶振りですから」
『 』
『巫女様も大概だった件について』
『この人の分析能力どうなってるの?』
『いや本当に研究者じゃないの!?片手間でそれなの!?なんなの?』
『研究者ワイ、上司が頭かきむしって悲鳴上げているのを眺めてる』
『叩き潰された奴の関係者がいたw』
『研究者助手ワイ、上司がもの凄いニッコニコ顔で自慢してる』
『名前でた研究者だな』
『うわぁ、明暗くっきり』
『しかしそうなると、あの武器に関しては?』
「あっ、それですが…色々手遅れなんですけど、オーガ等の中分類モンスターにはほぼ通用しないので神聖職者のサポートで戦士職が戦うというスタンスの方が確実だと思います」
「わぁ…そこでそうトドメを刺しちゃうんですかぁ…」
トドメて…そんな酷くはないと思うんですけど…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます