820話 BSS(僕が先にSuggestしたのに!)※奨めたでも可



 どうやら頭が涌いている人や勘違いした学者さん達が沸騰しているらしい。

 中央本部への問い合わせ以外でもここへの問い合わせについては部長に回しているらしい。

「えっと、それぞれの論文等については問い合わせをして承諾戴いていますよ?門前払いは7件ありましたけど、それらは中央本部から手を回してもらって許可と同意書頂きましたし」

「……そこまでしていた事に私驚きが隠せないんだけど?そうなの!?」

「一応著作物なので。もの凄く感謝された事もあります。塩漬け論文が日の目を見たって電話の向こうで泣かれて…」

「巽、この子若干コミュ障って設定じゃなかった?」

「現在もそうですが?初対面の人に対しては結構アノエットを多用しますよ?」

 巽さんよく見てるぅ…


 こういった時、来て欲しくない時間が来るのが速い事速い事…

 12時過ぎたので泣く泣くマンションへと戻る事にしました。

 か~ちょうの言う事が確かならば、今回の配信は荒れに荒れるのだそうな。

 なんて良く分からない物真似をしたくなるくらい気が重い。

 身構えているから自棄は起こさないと思うけど…アレ?

「来ちゃいました」

「廣瀬お姉さん?」

「はい。恐らくサポートが必要かと思いまして~…お姉ちゃんを頼ってください」

 少し恥ずかしそうに顔を赤らめながら廣瀬お姉さんがお姉ちゃん宣言をしてきた。

「よろしくお願いしますっ!」

 廣瀬お姉さんに一も二も無く助けを求めた。



「騒ぎを放置したまま普通に配信を始めます。ただ、先に本日のゲストの紹介をしたいと思います。本日のゲストは…廣瀬真紀奈お姉さんです!」

「はい~過労死者の国からやって参りました兄者さんの部下、真紀奈と申します~」


『初っ端からパワーワードでオーバーキルなんですが?』

『あっ、ご同胞?と思ったらそのハイグレード版だった』

『よう、論文盗用巫女』

『なんか香ばしいリスナー増えてる?』

『巫女様のレポートが難しすぎて分かりません!』

『兄者の部下という時点で最終兵器感半端ないんですが』


 罵詈雑言刑は自動的に弾かれているみたいだけど、一瞬だけ見えた。

「なんか凄い荒れてますね…ただこれだけは言わせて戴きますが、僕が中央本部や国等に提出したレポート122本の参照先の研究機関等及び著作者には念のため引用確認を取っておりますし、

 何よりも僕が提出したものは中央本部や上層部が設定した課題に対してのレポートであり自ら課題提起して研究したものは…1~2本くらいですからね?それも研究と呼べる物では無いのでやはりレポートの範疇かと思います」

「と、本人は供述しておりますが、私も確認しましたが、十数本は先行研究の引用が少し多い研究論文と言っても差し支えありませんでした~」

「あれぇ!?廣瀬お姉さん!?」

 援護射撃どころか僕を後ろから撃ってません!?

「因みにその事を先方に確認しましたが、先方は大変喜んでおりました~アレのおかげで研究に関して見直しが入り研究費用増額となったとか、企業から共同研究の話が持ち上がったと感謝の言葉もありましたよ~」

「えっ?」

「ミヒャエル博士とか、バークレー博士。トマーソン博士、あとエマ博士が連絡欲しいと仰っていました~」

「提出番号82番のモンスターの生体防御に関するレポートの両博士と91番と105番レポート引用の博士ですね。分かりました」

 頷いた僕に何故かコメント欄がどん引きしていた。


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