817話 バッド・モーニング
おはようございます。朝からトラブルです。
世界各国で暴動やデモが起きているらしい。
僕が原因とか言ったら怒るよ?
───僕が原因ではなかった。
ただ、僕のせいではないけど僕関連…と言っても良いかも知れない。
それは神々に対する不満だった。
「えっと、控えめに言うけど…人間って馬鹿なの?」
もの凄く困惑した顔のゆる姉様が僕を見る。
「僕はそれに対して肯定も否定もできないです」
そう言うしかない。かしこくも愚かなのが人間なんだし。
「一部の人間なのは分かるし、煽動している人がいるのも分かるよ?でもさ…同時多発的にここまで多くの人間が参加するとかねぇ…」
「一部の動物たちは諦めて妖精の抜け穴通って神国に来てますよ」
せお姉様が虚空にあるスクリーンを確認しながらゆる姉様に報告をする。
「待って?何それ聞いてないんだけど」
「前に「動物どうしますか?」と聞いた際に「あー精霊や妖精が許可出した動物なら」って仰いましたよね?」
「……そう言えば、言った、かも」
「既に人に見切りを付けた精霊達が神国に渡り始めているので地域によっては一月経たずに実感すると思います。同時に…審議の石板はどうしますか?」
「問題地域の投入口封鎖で良いんじゃない?結界切れたら消失と言う事で」
「ではそのように手配します」
うわぁ…終末が始まってる…
「えっと、どういう現状でしょうか」
「えっとね、操られているっぽいところは一応静観の構えだけど、本気で僕らの事をどうにか出来ると思って騒いでいる連中が一定数以上いるところに関して撤退指示出してるの。
幸いゆーちゃんが昨日すんごい事したから皆ある程度元気になったし」
「合衆国はあんな目にあっただけに騒ぎは少ない…と言うか騒いだ矢先に取り締まるねぇ…酷いのは中南欧かな。
まあ、場所によっては前回の動画の件もあるから保留だけど、まあ…既に4カ国はアウトだね」
「国単位なんですね」
「だってその国の主要都市で一斉に起こしているわけだから。千人以上の規模で」
「一応説明するとね?精霊達からずっともう嫌だってきていたんだよ?だけどなんとか引き留めていたんだけどね…今回の信じていないのに要求だけはビッグマウスな状態にキレちゃったんだ」
せお姉様が申し訳なさそうに僕にそう言った。
ああ、神様方と言うよりも、精霊さん達がキレたのか。
「出勤前に緊急配信でこれだけでも伝えておかなきゃ…」
「僕がやろうか?」
「いえ、それだとすぐに喧嘩になりそうなので僕がクッションになります。多分意味はないと思いますが」
「「やっぱり無駄って思っているんだ…」」
そりゃあもう。
でもなんでこうなったのかなぁ…
配信の準備をする。
何がトリガーになったんだろうか。
そして何故このタイミングなのだろうか。
仕掛けたのはダンジョン関係者だとは思うけど、それだけではない気がする。
ネット煽動者?──可能性は高い。
愉快犯?─────マークされていてもやる人はやる。
部利益団体?───ダンジョンがなくなって困る人達は確かに多い。
だからといってそんな大量に煽られて動く?しかも同時多発的に。
疑えばきりが無い。でも、まだ何かある。まだ底がある気がする。
僕はモヤモヤを抱えたまま配信を始めることになった。
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