815話 残念な人達
「内臓が押し潰されるかとオモタ」
僕の部屋に戻ると佑那が僕のベッドで寝転がっていた。
「余裕ありそうだな」
「無いから!全然無いからね!?突然物理的にもなんか霊的?にも全方向から圧縮されたみたいなダメージが来たんだよ!?防御どうなってるの!?」
「本格的なダメージは受けてないでしょ?」
「えっ?」
「衝撃が来ても気を失っていないだろうし、吹き飛ばされたり圧壊みたいな状態になった?」
佑那はそう言われて考える素振りを見せた。
「ダメージじゃなくて感じ…だったって事?」
「だって実際佑那の言ったダメージを受けていたら今こうして喋れたと思う?」
「あっ…」
全方向からの圧縮って本気で深海とかのヤツだよね?多分箱庭の重力と神威による神圧が掛かった結果だと思うけど。
衝撃が感覚として軽く貫通しただけでダメージは無いはずだ。
「痛みは、うん。無い」
「気を抜きすぎていた結果だよ。勉強になったね?」
「兄さんが森本〇オ風に煽る~~!」
分かり難いかなと思ったけど分かったんだ…でも兄さんに知られたらまーた何を言われるか分かんないよ?
「…お腹なでなでされても子どもは出来ないと学びました」
なんかすごい事を言われたんですけど?僕どうしたら良いんですかね?
「嬉しくてガブリエル様に連絡したら「えっ?…君マジで言ってる?…あっ、えっとぉ…うん。神にお腹撫でられたら子どもができるとかそう言うのは、そうそう無いから。特に巫女様はそんなつもりで撫でていないはずだし」と…」
うん。僕腹筋触っただけですし。それで子どもができたら世の中とんでもない事になると思うよ?
「うーん。僕はジャンヌさんの綺麗な腹筋を触っただけですし…いや、何故そこでそんなに照れるんですか」
「綺麗って…」
ジャンヌさん身をくねらせないで?佑那のハイライトオフな目が怖いから…ボソッと「この泥棒猫」と言う台詞自体すっごく久しぶりに聞いたよ!?
「ジャンヌさんは凛々しい系(残念)美人だし、佑那は綺麗系(残念)美人だよね」
「「今なんか美人の前に全てを否定するような言葉が織り込まれた気が…」」
「あっ、ごめん。2人とも残念美人さんだよね!」
「「改めて聞かなきゃ良かった!!」」
いや本当にジャンヌさんどうしたのかな!?板額さん助けて!
「筋肉が脳にまで行ったか?」
「あ痛ァァ!?」
板額さんがジャンヌさんの背後にスッと現れて拳骨を落した。
…ただし、その打撃音は人が死ぬようなレベルの音だった。
「態々がぶりえる殿が心配の連絡を下さっていたぞ?「思い込み脳筋娘が巫女様に子種をもらおうと襲いかかっていないか心配だ」と」
「ああ!通常方法ですか!」
思いっきり合点がいったという顔のジャンヌさん。完全に忘れていたようだ。
「通常方法って…!」
「マジかこの子…」
「ではその通常方h…ったあああああああっっ!?」
「こんのお馬鹿!」
「…多分佑那と長らく一緒に居るせいで残念さが感染したんだろうね…」
「私のせいですか!?絶対違います!」
いや、同等レベルだからね?
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