810話 ブートキャンプ?ブーストキャンプ?
「ワンモアセッ!」
「「「「イェァ!」」」」
「ストーカーは?」
「ボディーがお留守!」
「浮気旦那は?」
「「下を狙え!」」
「三股先輩?」
「ビンタに見せかけ完骨狙う!」
いや待ってなんでロビーでそんな事してるの!?
「ああ!お帰りなさい!板額さん協力の元、彼女達をここまで鍛え上げましたよ!」
「「「「巫女様に心からの感謝を!」」」」
みんな、腹筋割れてるぅ…えっ?腹筋って1~2時間で割れるの?だとしたら僕もやりたい!
どうやらアディエーナ様の仕業らしいでけど…時空間弄ったって事!?
「お気付きかと思いますが、ジム内一部の時間概念をいじって相応の時間で彼女らを鍛え上げました」
確かに上級時空神のアディエーナ様なら出来ると思うけど…でも確か兄さん的には余り宜しくないって感じだったような…
そんな気持ちを込めてジャンヌさんを見ると…ニコッと微笑んだ後、ソッと目を逸らした。
何か影響が、あるんだね…
でもそれをしなければいけないような人達だったと、都合良く解釈しておこう。
全力で目を逸らさないと僕も参加して筋肉…
なんかジャンヌさんと伊邪那美お母さんに全力で止められた。
せお姉様に無茶苦茶謝られた。
どうしたんだろう。
僕が「筋肉」言いながらジムの中で運動を始めた?ハハッ良い事じゃないですか。
僕が元の姿に戻るのを阻害しようとする変な術式を筋肉で───どうしてせお姉様が泣きながら謝るんですかぁ?
伊邪那美お母さんとせお姉様に説得され、僕は食堂でジャンヌさんとお茶を飲む。
今回の件の説明も兼ねてと、「心穏やかに!」って言われて…いや貴女方ですよね!?僕の心を暗黒面に落としかけたの!と言ったら逃げられた。
「なるほど。彼女らはあのままだとかなり悲惨な運命を辿っていたと。それで彼女らに事情を説明しリスクはあるけれどと説明した上できちんと鍛え上げたと…」
「はい。ストーカー被害に遭っていた彼女は数日以内にその相手が部屋に押し入り彼女に乱暴を働いた上に殺害される…という運命でした」
ジャンヌさんが辛そうな顔でそう説明してくれた。
まあ、うん。慰めるとかそう言うのよりも話を進めた方がジャンヌさんのためにもなるかな。
ココア飲んで、ココア。
「…未来視?ですか?」
「いえ、私の力ではありませんよ?あの告解室に死期が近い者が入るとその運命の可能性が見えるのです」
なんですと?
「…僕には見えませんでしたけど」
「見えていたら全て話してしまいますよね?」
「まあ、話すと思います」
「それをしたら確定しちゃいますよ?」
「えっ?」
「言霊の力が、滲み出たら」
「あっ…」
「一般人には有効すぎるほど有効ですからね?」
「では他の人達も…全員」
「ええ。旦那さんが浮気をしていた奥様探索者は片方が毒殺、もう片方は戦闘中に後ろから…そのお二人には抗毒スキル未満ですが、毒察知を教え込みました」
「スキル未満と言ってるだけで、本当はスキルな件」
「三股している先輩という最低最悪な人は関係を切っても逆恨みで取り巻き使って攻撃してくるはずなので、ストーカー被害の方とコンビ活動の提案と戦場仕込みの格闘術を仕込みました!」
満面の笑みなジャンヌさん…
「ジャンヌさんには後で罰として…ジャンヌさんの腹筋を30分触らせてもらう刑にしよう」
「なんというご褒美!?」
えっ?それご褒美になるの!?
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