808話 僕の私のあたらしいおしごと!
出勤すると昨日と同じように皆さん配信を見ながら作業しています。
が、全員憐れみの目で見ているという状態。
そりゃあね…始めは黒歴史だとすら思っておらず武勇伝っぽく語っていたのに、それが現代は唾棄する行為であり他の神々もそれを黒歴史扱いしていたり…まあ、居酒屋で昔の犯罪を武勇伝みたいに語っている痛いオヤジ状態だと理解した瞬間のお二方やでもでもだってを繰り返し始める主神妻。
僕はお仕事に没頭することに決めた。
「あのぅ…課長、僕の仕事、少なくないですか?」
「こちらに掛かっていた本来はうちの課の業務ではない仕事を削ったからな。全体的に余裕ができている」
「いえ、終わっちゃったんですけど」
「……んっ?」
「メンタルケア関連資料もまとめましたし、カルテ整理も終わりました」
「……そうか。考察関連も奴等の請求数の20%程度だからな…かといってお前さんがカウンセリングルームに入ると同時に満員御礼どころの話ではなくなる…うーん」
───あっ、今日の僕のお仕事ないっぽい…でも配信ブース使っているしなぁ…第1は使っていないけど、第2から見られたら絶対助けを求めてくるだろうし…
なんて考えていたら突然ミシェルさんが現れた。
「はいはいはいっ!告解室召喚で懺悔してもらうのは如何でしょうか!」
「ミシェル…今日も遅番だったよな?」
「なんかとてもよい気配を感じ来ちゃいました!」
課長が滅茶苦茶深いため息を吐く。
「岩崎。できるか?」
えっ!?まさかの採用!?
「はい。できますけど…良いんですか?」
「今日一日だけの特別対応と銘打っておけば良いだろ。他の仕事が無いわけでも無いが…コイツがそう言うという事はそれだけ一般探索者達の心が危ないという事だ」
課長がそう言うとミシェルさんの方を見る。
「あと、大天使様方から「告解室内部を特別仕様にしておいたから!」との事でしたのでそちらも」
「そっちが言いたかったことだろ!」
うーん自由人。
ということでカウンター横に告解室を設置することとなった。
まずは修道女モードになってカウンター横の空きスペース前に立つ。
「焦心苦慮せし迷い子達の心の一助とならん事を…告解室展開」
言わなくてもできるようにはなっているけど、祈りは大事。
で、告解室は現れたけれど、特に変わった様子はない。
「内部を特別仕様にとの話でしたね」
私は扉を開けて中を見てみる。
「……特に変わった様子はありませんが」
扉を閉め、私が入るところを確認するために扉を開いた。
「………これで良いのですか?神職者が堕落する理由、これではないのですか?」
そこは空間拡張がされており、ベッドやリクライニングソファーまであった。
「小型冷蔵庫まで…何と言いますかここで軽く半日は過ごせますね」
とりあえず中に入ってみる。
と、えっ?
「回答者、パネル?」
えっ、なにそれ…
そこにあった回答者一覧が…なんかとんでもなかった。
「ジャンヌさんも…特別ゲスト???って…」
なんか私が答えなくても良い、というか管理室みたいになってる…あっ、説明書。
『聖徳太子の逸話を参考に一度に10人の告解を受けられるように作ってみました』
───これ、説明書ちゃう。ただのメモや…
私はその場に崩れ落ちた。
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