807話 公開配信処刑耐久~浄化されるまで帰れま10~


 とんでもない事になっております。

 神様の公開処刑、現在37時間経過しております。

 何も知らずにやってきたゼウス神とアポローン神。

 そして控え室ではヘラ神が待機。

 時折ヘラ神が「レトはアレな性格だったから子ども達もとんでもない性格になったのよねぇ」とご意見番のような感じでお二方が黒歴史公開で頭を抱える姿をニヤニヤしながら話していたけど、

 矛先がヘラ神に向いた瞬間大慌て。

 氾濫起こして吊された事を語り出した瞬間にアポローン神が慌てだし、ヘラ神が止めに入ったことで…はい。計算通り。

 ちなみにこれが開始2時間の出来事。午後5時からスタートした暴露&糾弾大会はそこから現在に続いております。

 お三方、いっそ殺せ状態。

 精神的に疲労困憊。

 全く反省していなかったアポローン神はウェスタ様に「反省した?」と聞かれ「はい。それはもう」と神妙な顔をして頷いた瞬間、

『アポローン神、アウト!誓書規定により獄辛麻辣豆腐巫女様お気持ち抜きを食べてもらいます』

 何処からともなく天の声が聞こえ、バイオハザード対策レベルの装備をしたせお姉様が獄辛麻辣豆腐を持ってくる。

 その場にいたウェスタ様以外はその湯気からの刺激に涙目となっている。

 アポローン神は必死にそれをぶちまけようとしていたけど、何せ誓書を作成したのはミツルギ姉様だ。格上も格上な神の強制力により色々なところから液体を垂れ流しながらまずは一口。

 絶叫ではなく「ヒョォォォォォォ…カハッ、ハ、ハ、ハ」という叫ぶに叫べない。そして吐き出すこともできない状態となっていた。

 うん。食べ物で遊ぶな。

 誓書契約通りきちんと完食していました。それを見てガタガタと震える主神夫婦。


 そして今、開始から37時間経った午前6時。

 獄辛麻辣豆腐は6皿ほど消費。熱いお茶も4リットルほど消費しているようだ。

 コメント欄がかなり動いているけど、まあ、今回僕の出番はないので安心してウェスタ様にお任せしている。

 ちなみに予定は48時間だ。

 イキロ!

 因みにこれ、誰にとって美味しいかと言うと異世界の神々と視聴者&神話研究者。

 そしてかの神々に虐げられながらも必死に地上の守護をしてきた神々。

 拍手喝采だったらしい。

 ただ、一部想定外も発生した。

「ヘスティアーお姉様…いえ、ウェスタお姉様!」

「まあ、確かに姉ですが」

「悪い私をもっと叱ってください!」

「ええええ?」

「お姉様になら吊される以上のことも…勿論ぶって頂いても全然構いません!むしろ傷を下さい!」

「あるぇぇぇ!?」

 ───なんて事になっていてゼウス神とアポローン神は凄い勢いで目を逸らしているらしい。

「僕、あのスタジオ前を通るの凄く嫌なんだけど」

 現在部屋ではなく神域から箱庭に転移している状態なので問題は無いけど、出勤となるとフロアに出ないといけない。

「変わり果てたヘラは愉快ですね…」

「伊邪那美お母さんェ…愉悦の笑顔止めてくださいませんかね?」

「…これ、最後に配信終了とウェスタ様が言ったらどうなるんでしょうね」

「神の愧死きしなんて滅多に見られませんよ?」

「いや見たくないですからね!?」

 仕方ないのでフィラさんにお願いして1階フロアに転移した。


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