803話 ちーくんの紹介


 配信を終え、箱庭へと戻る。

 暫く三分粥の刑は受けるという事だったので暫くそのままで。

 明日はお肉料理にしようかなぁ?うん。

 なんか絶望した顔して「今日はリムネーちゃんと寝ます」って言ってトボトボと奥の部屋へと入っていった。


 おはようございます。

 午前4時です。

 まあ、朝ご飯準備を少し早めに行うというだけですが。

 野菜たっぷりのチキンのポトフとか、チリチキンとか、揚げ豚肉とか、メンチカツとか!

 朝食時に作る物じゃないし、なんだったらお酒のアテにもなりそうだ。

 まあ、作るんですけど。

 作り置きしておけば何かあったときに出せるし。

「うあああああ…お腹すいたぁ」

「はい、佑那のは先に作っておいたよ」

 三分粥とお漬物をソッと出す。

「……イタダキマス」

 佑那が食べている間にチリチキンでも作ろうか。

「うああああああ…香りが、香りがぁぁぁッ!」

 ほぅらこの香りでご飯が進むでしょう?

「~~~~!兄さんの美人幼妻ぁぁっっ!」

 その魂の叫びは却下の方向で。と言うかなんて事言うのかな!?

 誰が誰の妻だ。



「おはようございまーす」

「ああ、おはよう岩崎。昨日は大丈夫だったか?」

「課長、おはようございます。まあ、色々ありましたけど大丈夫です」

 席に着きパソコンを立ち上げる。

 と、ズボンの裾を何かが引っ張った。

 ちーくんが影の中から顔を出していた。

「でてもいーい?」

「出ても良いよ。でも走り回ったりはしないでね?」

「うんっ」

 ちーくんが「んしょ、んしょ」といいながら影から出て来た。

 ちょっと離れた所で西脇さんが「ふぐぅっ!?」って呻く声が聞こえたけど何事?

「ちょちょちょ、岩崎その子は!?」

 課長が慌てた様子で僕の所へと戻って来た。

「白獅子のちーくんです」

「ちーです。くっきーとちょことはにーとーすとがすきです」

 ぺこりとおじぎをするちーくん。あいさつ出来て偉い偉い。

「「ふぎゅっ!?」」

「ショタがショタの頭を撫でる姿…プライスレス…」

 誰がショタですか、誰が。

「……そうか、白獅子…人にもなれたのか」

「数は少ないらしいですけど、この様に」

 そういってちーくんの方を向く。

 西脇さんがちーくんにクッキーを渡そうとしていた。

 固まる課長と僕。

 デレッデレの西脇さん。

「ちーくん、ほら、くっきーだよー」

 もう気持ち悪いくらい満面の笑みでクッキーを明けて食べさせようとしている。

 絵面的に少年を誘拐する美青年…ただしその笑顔は犯罪者です。

「ちーはおしごとちゅうなの」

「ふわああああぁぁぁ」

 無表情で断られたのに何か琴線に触れたのか嬉しそうにヘナヘナと崩れ落ちた。

「……毎度の事ながら、うちの部署の変人率、高過ぎないか?」

「西脇さんの可愛い物好き、悪化していません?」

「だいたいお前さんのせい」

「何故!?…あっ、巽さんまで…しかもチョコバー!?」

 巽さんがチョコレートバーを数本ちーくんに差し出す。

「ちーくん。後ほどで構いませんのでこれを食べてください」

「ん。ありがとうたつみさん」

 ちーくんはお礼を言ってチョコレートバーを受け取り、リュックサックに入れた。

 ああ、今ではなくと言うところがポイントなんだな。

「!!っ、呼んで戴き、光栄です」

「いや、なんで巽の事を知っている?」

「一応僕の護衛ですし、周りの人のことはある程度把握していますよ」

「…私の所に来ないかなぁ」

 課長ェ…


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