799話 なんか、(異世界からの使節が)来た。
無事グラスの水もなくなったので一安心。
少しは助けになれば良いなと思いつつ配信をするためにフロアに向かう。
「あっ、ゆーちゃん!なんか中位世界の■■■■・■からお客さんが来ているんだけど!」
ゆる姉様がそう言いながら走ってきたけど…なんて?
「ゆる姉様。世界名が聞き取れなかったんですが」
「それは仕方ないよ。この世界の人間の発音も聞き取ることも無理だもん」
「それって、会話すら満足にできないのでは?」
「私が通訳するよ?」
「そもそもそういったものは受け付けていないんですが…」
「だよねぇ…勝手に来た挙げ句なんか威圧的だからどうしようかなぁって」
えっ?
「今みっちゃんが相手しているんだけど、みっちゃんをこの世界の神と思ってかなり高圧的な物言いなんだよねぇ」
うーん、どうしよう。
「ゆる姉様、ある方に繋ぎますので説明のほうお願いしても?」
「えっ?別に良いけど…誰?」
「ユルフテラ様です」
「本部の?…………相手オワタ」
いや、どうしてゆる姉様がそんなに顔を青ざめさせているの?
首をかしげながらユルフテラ様へ連絡をする。
と、1分も経たずにユルフテラ様がフロアに降り立った。
「緊急事態なので手続きをオミットしている。久しぶり」
「忙しい中済みません…」
「いやいや、君にはどれだけ助けられているか…で?」
あれ?ゆる姉様が深々と頭を下げている?
「報告致します。中位世界の■■■■・■の分神■、■■■■■■及びその神官5名が突如使節と称して神域に突然来訪してきました。現在こちらの神域は他の神々が自由に出入り出来るようにと善神判定のみのフィルタに一時的にしておりまして…」
「で、現在対応は」
「戦神ミツルギが対応しておりますが、この世界の神と勘違いした連中は無理難題をふっかけております」
「ほう?」
ユルフテラ様がニヤリと笑った。
「あの小物、とうとう我慢出来ずに食いついてきたのか。愚かな…行こう」
「はっ!」
ゆる姉様は案内をし、ユルフテラ様がその後を悠々と歩く。
自由幼女とアモシロお姉さんの面影が全くないんですけどぉ…
ゆる姉様もユルフテラ様もキリッとしていて格好いいから良いけど、僕もついていった方が良いかなぁ?
あっ、そうだ!ユルフテラ様にお土産を用意しよう!
僕はテーブルのあるスタジオに入り、紙袋と紙箱を取り出す。
「何を入れようかなぁ…バウムクーヘンと、クッキーセットと、あっ、さっき買った日本酒でデザートに合うものがあったような…」
中からいくつか取りだして並べていると神域からもの凄い神威が放たれた。
「うわぁ…圧が凄い」
他人事のように神域の方を眺めていたらマイヤが凄く興奮した様子でやってきた。
『パパ!マイヤ蒸しパン作れるようになったよ!ほら!』
「おー…マイヤ。カップケーキタイプだねぇしかも焼き印まで。僕とマイヤとリムネーの3人でハートマーク作ってるし…凝ってるなぁ」
『15個作ったの!パパに初めてつくったのあげる!』
「ありがとう。グラシンカップは外して…うん。中もしっかり熱が通っている……うん。卵感が強くて美味しいね」
『パパに褒められた!』
はしゃぐマイヤの頭を撫で、ふと顔を上げると…ゆる姉様とミツルギ姉様、ユルフテラ様が羨ましそうにこっちを見ていた。
あっ、ごめんなさい…
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