794話 泣くよゆーちゃん(と)醸造所
聞くと山間部の地域の方が安全という不思議な状態…と思ったら自然と共存生活している集落などの方が動物や精霊達のガードで安全とのこと。ただ、食糧問題や冬に入り始めているせいもあってか色々危険な状態だそうで…
「恐らく日本海側と山間部を中心にもの凄い速さで物資援助や妖怪退治をしているお兄さん達がいるので見かけたら現状をお伝えください。
ただ欲しいではなく、現状の説明もお願いします。その方々は僕の兄の関係者なので嘘偽りや不義理に対してはかなり厳しいので注意してくださいね」
『綺麗なお兄さん2人であれば今朝お目にかかりました!助かりました!』
『綺麗なお兄さん…だと?』
『気の強そうな美形と儚そうな美形。ただし人喰い妖怪を倒せる』
『だから~そうなと付けるんだな!?実際違うと言う前振りで!』
『うちのばあちゃんの集落で不思議な2人組から米6俵と野菜もらったって!』
『日本良いなぁ支援が手厚くて。というか巫女様が全部やってるし』
『政府は自衛隊使ってやっているけど殲滅速度含め段違いなんだよなぁ』
『なんてったって巫女様の兄者だから…(震え声)』
まあ、ねぇ…それぞれが国家相手に戦えそうな人達ですし?
「2人とも空を飛べますし、兄さんの関係者ですから名を騙ったり貶めたりする人には天の監視者が罰を下すと思うのでそうならないことを祈ります」
恐らくこの配信をマリアンナさんが見てくれていることを期待する。
配信を終え一息吐く。
配信で伝えておいてなんだけど、詐欺の人達が出てこないか心配だったりする。
まあ、そこまでする暇人はいないと思いたいけど…うん。
───居ないとは言い切れないんだよなぁ…これが。
危機感を持っていないどころかこれくらい良いだろと勝手に自分の尺度で決めて問題行動を起こす人達。
…ああ、あの変な教団を思い出した。
あの子達どうなったんだろ。聞いて…んっ?
会社のスマートフォンが鳴っている。
「はい。岩崎です」
『お久しぶりでございます。佐々酒販店の佐々要と申します』
いつもの酒屋さんからだった。
どうやら神米がとんでもないやらかしをしたようで…お酒が出来上しかも酒造メーカーさんが試験分を送ってきたという。
「早すぎませんか?」
2ヶ月くらいは掛かるはずで、いくら酒母やもろみ造りの時間を何らかの奇跡?で短縮できたとしても40日。あと20日は何処行ったという話だ。
滓を濾過する期間や諸工程の期間が20日掛かるとして、それすら…
『杜氏さん方も頭を抱えていたそうで…一晩寝かせたら翌日には酒になっている。俺達は何をどうすれば良いんだ…と』
「それは…うん。ごめんなさいとしか」
『3度手法を変えて行った実験酒がそれぞれから届いておりますのでどれで本格的に作るか確認をお願いしたいのですが』
「分かりました。あれ?瓶や容器をこちらが用意する予定で…」
『?中務省の方々が小型タンクを持ってきていたとのことでしたのですが』
神様方、そう言うところだよ?報連相ちゃんとしようよぉ…
ちょっと泣きそうになりながら取りに伺う旨伝えた。
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