786話 ポンコツさんとそこの神様
「戦闘技能に関しては申し分ないかな?」
───今僕はあってはならない光景を目にしています。
ガアラスタさんが一方的にやられております。何故?
斬撃を飛ばしても拳で相殺してるんだけど…というか武器vs素手の時点でおかしいからね!?
「うそ、もしかして佑那、強すぎ?」
「友紀兄さんと組み合いになったら負けますし、そもそも両手拘束&目隠し&スキル系一切無しの結羽人兄さんに体捌きだけでボコられたのは最近ですが何か?」
兄さん、佑那に何を仕込んだの…いやマジで。
「いやぁ…殺し合いにならないようセーブしてたら勝てない勝てない。この空間自体そういった事を許してくれないようですし」
笑いながら剣を鞘に収めるガアラスタさん。
「そもそも貴女の得意なエモノは槍でしょう?それを悟らせている時点で…ねぇ?」
あっ、一時登録してない。
「マイヤ、ガアラスタさん一時登録お願い出来る?」
『登録完了だよ~』
マイヤがポンと僕の横に現れた。
「こっ!?巫女子にゃんこ!?」
ズシャッと膝を突いて祈り出すガアラスタさん。
「…兄さん。やっぱりこれと一緒にされたくない」
「ポンコツ具合は大して変わらないと思うよ?」
「なん、だと…?」
そう言うところだよ?反省して?
「まさか、母巫女にゃんこも…」
『?リムネーはおつとめでいないよ?』
「…そうですか…残念です…」
「ミツルギ姉様、巫女にゃんこ奉納歌は2種類見せたの?」
「ええ。他にもいくつか見せていますね。ただ、巫女にゃんこ奉納歌を見た後に地球と同じように私に対する信仰が爆増したんです…ええ、それはもう」
あうっ、なんかごめんなさい…
「力任せの無駄な争いも激減したので良いのですが、はぁ…配信まで繋げるんじゃなかった」
待 っ て?
今配信繋げたって…ぇえー?
「我等が神よ、この世界の食事は、巫女神様の食事というのはそこまで凄いモノなのですか?」
「地球の食事は絶品よ?ゆーくんの食事は…神々垂涎の絶品?」
何故疑問系?
実はミツルギ姉様的にはそんなに美味しくなかった?
「ゆーくんのご飯はとても美味しいぞ!?ただ、うちの世界の連中となると…」
「まあ、人、国、世界それぞれと言うことですね」
「そう言う事です。それと、もしハマられても困るので」
「あー……材料問題」
「永続的に輸入とか笑えません。食料なんて本来はその世界内で完結させるべき事ですから」
ミツルギ姉様が滅茶苦茶カミサマしてる…
「あと、この人達に農耕をさせるのは無理だと判断しています」
そのレベルなのか…いや、それはどうなんだ…
『おねーさん、クッキー食べる?』
そんな話し合いをしていると、マイヤがガアラスタさんにクッキーを渡そうと近付いた。
「ふわわっ!?近い!可愛いが近いです!」
慌てるガアラスタさんの口にマイヤがクッキーを放り込んだ。
「!!?」
口の中に入った瞬間にビクリと体を震わせ、ゆっくりと咀嚼した後呑み込んだ。
「───我等が神よ。我が見代を掛けた願いを「却下」何故です!?」
「農業を舐めるんじゃないわよ!貴女がたは植物も自生以外は満足に育てきれないじゃないの!こっちが何千年苦労したと思っているのよ!」
あの、そういうのはマンションの方でやってもらっても良いですかね?
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