785話 ミツルギ姉様の株爆上がり過ぎな件
「人の身から神へと至った巫女神様に拝謁出来ることをこのガアラスタ、心より、心よりお喜び申し上げますッ!」
ミツルギ姉様、すぐに連れて来ちゃった…
白銀の鎧を身に纏い男装の麗人といった美女が僕に傅いていた。
「えっと、えっと、ようこそガアラスタさん。ここは神様方の憩いの場所、貴女もこちらでは寛いでくださいね?」
そう言うとガアラスタさんは呆けた顔で僕を見、ハラハラと涙を流した。
「本当に、本当に優しく、人を労り、可愛らしい……ああ、ああ、こここそが…」
ちょっと
神域にいる神様方を見て硬直しながらも普通に動き回れている…と言うことでやってきました箱庭。
「ここ、が…巫女神様の、世界…ッ!」
息も絶え絶えなのになんか凄く感動しているんですが?
「まあ、神々の中でもまだ一部の者しか入ることを許されていない世界だ。良かったな?」
ミツルギ姉様がドヤ顔なんですが…
「考えてみれば、ゆる姉様まだ許可出していないのにロアステーアさんは…」
「それはマズイだろ…」
「ミツルギ姉様はそうそう暴走しないけど、ゆる姉様は暴走するから…」
「否定出来ない…」
「恐れながら、先程から我等が神を姉様と呼ぶのは、何故でしょうか」
膝を突いたままガアラスタさんが聞いてきた。
「ずっと僕を見守ってくれていて、お姉さんと呼んで良いと言ってくれたんです。とても優しくて、いつも甘えちゃって…」
言ってて少し恥ずかしくなったせいか顔が熱い。
「麗しき姉妹愛…素晴らしい…」
「あの、僕男ですよ?」
「ふぁっ!?これは大変ご無礼を!」
「いえ、まあ…偶に間違われるので。それよりもミツルギ姉様の凄いところと可愛いところを沢山伝えたいです!」
僕はここぞとばかりにガアラスタさんにミツルギ姉様の良いところを伝えることにした。
「も、無理…恥ずか死ぬ」
「尊い…尊すぎて息が…うちの神様しゅごい…」
わずか15分で両手で顔を覆い踞るミツルギ姉様と、顔を火照らせ息も絶え絶えな状態で横たわっているガアラスタさんが出来上がっていた。
「うわ、兄さん…事後?事後?くっころ騎士を分からせたの?」
いや、いきなり何言い出すのこの子は…
「佑那。初対面の人にそれは酷いと思うんだ」
「確かにそこの騎士さんは初対面だけど、そこはかとなくポンコツ臭がするから」
ポンコツ臭て…
「佑那と同類って事?」
「私そこまでポンコツじゃないと思うんだけど…でも、戦闘関連や集団行動関連以外ではほぼ役立たずな雰囲気というイメージでは」
おまっ、自身をそこまで…
「佑那、一人暮らししたとき、基本インスタント関連で固まってそう…」
「兄さん達に追い出されない限りそれは無いけど、カップラーメンと栄養補助食品のストックは常にあるわ!」
「絶 対 お 前 の 方 が ポ ン コ ツ だ!」
「…君はうちの世界の住人では?」
「私は兄さん方の妹以外は受け付けませんので」
「君らの兄は…世界どころの話じゃないからなぁ…ゆーくんしか御す事は不可能そうだし」
「確かに」
いや、佑那が認めちゃいけないと思うんだ。もうちょっとがんばろう?
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