783話 しかし鑑定に回り込まれた!


 メッチャ呼び出しを受けた。

 ゆる姉様とミツルギ姉様にメッチャ呼び出された。

「ゆーちゃんアレなに!?訳が分からないよ!?」

「そうだぞ現地で取りだした瞬間に周辺の妖魔が消し飛んだぞ?」

 妖魔が、消し飛んだ?

「えっ?みっちゃん所、なんかとんでもない事になってるの?」

「ダンジョン侵攻だ。これまでに無い規模のな。まあ、片手間で蹴散らしているからそこまで問題は無いし、お前の所ほどではない」

 しれっととんでもない事言ってるよこの戦神様…


「そんな事よりもだ。あのとんでもない代物はなんだ?」

「えっと、鑑定していないから分からないです。ただ、うちの川の水を汲んで届けようと思ったんですけど、それだけだと力が漏れたり色々マイナス面がありそうだなーって思ってマイヤに補強をお願いしたら、マイヤががんばってタンクをコーティングしてくれたんです」

 うん。我ながら小学生のような言い方だ。

「ほうほう…そのコーティングの材料は?」

「……えへ~」

 ニヘラと笑って誤魔化す僕。

「「はい可愛い~もうかわいい~」」

 そう言いながらもお二方は僕をロックオンしている。

「えっと、神聖結晶と、水面銀です」

「………………」

「…だから鑑定弾かれた挙げ句、使用後は巫女神へお戻しくださいって」

 何そのメッセージ…あ、僕の鑑定にも偶に出るや。

「そもそもなんで私達にアレを送ったの?」

 ゆる姉様が聞いて来た。

「あのタンクの中に5トン分の水があるから人気の無い泉に沈めてもらったら神聖結晶と水面銀の効果も相まってかなりの聖水が出来るだろうから…それを霧状にして進行してきた相手やダンジョンにぶつけたら良いかなぁって。

 水を流し込むにはちょっと心許ないし」

「「………」」

 あれ?

 お二方とも、深刻な顔を…

「あのね、ちゃんと鑑定した方が良いよ?」

 ゆる姉様はそう言って水タンクを取りだして僕の目の前に置いた。

 おっかなびっくり鑑定してみる。


【簡易聖水ダム】Ultimate:現在内部の聖水は人体どころか神体にも害を及ぼす場合があります。出来れば希釈してご利用ください。

 既製品の容器を謎技術で神聖結晶と水面銀でコーティングと言うよりも再構成された代物。容量5,000リットル。

 この容器自体を水に沈めると最大35,000立方メートル分の聖水となる。

 更には中に入っている聖水の質と量によって出来上がる聖水の力も変化するため注意が必要。

 LvX聖水作成

 備考 :へいわてきさいしゅうへいきだとおもいます。あと、いぐすりください。

 備考2:もし普通に使用のみであれば巫女神に返却してください。

 system:制作責任者が確認をしたので鑑定ロックを解除致します。


 ……うん。ごめんなさい。

 3万5千立方メートルって、何リットル?僕分かんない。

「で、私達だと鑑定が殆ど弾かれるから教えて欲しいんだ」

「…ゆーくんのその顔色でどれだけの物か想像……出来ないな。絶対にそれ以上だ」

「…鑑定ロックが解除されたので確認お願いします」

 僕は自分の口から説明することを放棄した。


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